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医師や看護師の人材紹介手数料が「年間900億円に迫る」と聞くと、「転職エージェントを使うことが病院の負担になっているのでは」と気になる方もいると思います。
採用コストは、医療機関の運営に関わる大事な問題です。同時に、働く環境を変えたい看護師が必要な支援を受けることも大切です。僕は、この二つを両方考える必要があると思っています。
この記事では、厚生労働省の集計を確認し、金額の対象と限界、転職支援を利用するときの確認事項を整理します。約900億円を「看護師だけの紹介料」として扱わないことが、最初のポイントです。情報確認日は2026年9月7日です。
約900億円の内訳は、医師と看護師・准看護師
厚生労働省が2026年3月31日に公表した「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」には、2024年度の職種別の手数料が掲載されています。
資料の「手数料合計」を億円に換算すると、次のとおりです。
| 原資料の職種区分 | 2024年度の手数料合計 |
|---|---|
| 医師 | 約283.06億円 |
| 看護師、准看護師 | 約598.24億円 |
| 上記2区分の合計(当サイト計算) | 約881.31億円 |
原資料の単位は千円です。医師28,306,419千円と看護師・准看護師59,824,318千円を合算し、億円に換算して小数第2位まで表示しました。端数を丸めているため、表の表示額どうしの和とは0.01億円の差があります。厚生労働省・令和6年度集計結果(速報)、資料16ページ
保健師・助産師は原表で別の区分です。また、これは職業紹介事業者の報告を職種別に集計した数値で、病院ごとの会計を合算した表ではありません。看護師一人の採用費や、すべての看護職の合計として読み替えないようにしましょう。
採用する医療機関側は、何を問題にしているのか
日本医師会・四病院団体協議会の2026年3月の報告書は、人材確保で有料職業紹介が一定の役割を担う一方、手数料の負担、早期離職、紹介内容と求める人材の不一致、違約金などの課題を挙げています。
採用費が繰り返しかかることだけでなく、入職者を受け入れ、教える現場にも負担が生じます。報告書は、紹介サービスの適正化や情報公開、公的な紹介機能の強化などを提言しています。これは医療機関側の課題認識・提言として読む資料です。日本医師会・四病院団体協議会報告書
ただし、手数料の総額だけでは、個々の紹介が適切だったか、離職の原因が何だったかまでは分かりません。「紹介料があるから、必ず給与が下がる」「転職した看護師が病院経営を悪化させた」と結論づけることはできません。
看護師が無料で使えることと、採用側の負担は分けて考える

看護roo!転職とレバウェル看護は、求職者向けの転職支援を無料と案内しています。レバウェル看護は、採用側から受け取る報酬でサービスを運営する仕組みを説明しています。看護roo!利用規約、レバウェル看護公式サイト
つまり、求職者の利用料が無料でも、採用側には費用が生じる仕組みがあります。この仕組みを理解したうえで、必要な相談や応募支援を選ぶことが大切です。
一方、支援を受けたからといって、合わない求人に応募したり、納得できない内定を承諾したりする必要はありません。採用側と自分の両方にとって、入職前に条件を確認する意味があります。
国の対策は、手数料や契約条件を見えるようにすること
厚生労働省は、2025年4月1日からのルールとして、職業紹介事業者による紹介手数料率の実績の公開と、違約金規約を設けている場合の求人者への明示を案内しています。公開対象となる職種や実績件数などには条件があります。厚生労働省・紹介手数料率実績の公開と違約金規約の明示
これは、採用する側が料金や契約を確かめるための仕組みです。掲載されていることだけで、個々の紹介の質や、自分に合う求人まで保証されるものではありません。
転職支援を使うなら、情報と条件の確認に役立てよう

看護師側ができるのは、手数料全体を一人で解決することではありません。自分の希望と紹介内容のずれを減らし、分からない点を残したまま入職を決めないことです。
1.繰り返したくない困りごとを伝える
「今の職場が合わない」で止めず、残業、夜勤、教育、相談体制などに分けて伝えます。「中途採用でも相談する人が決まっている職場を探したい」と言えると、確認してもらいたい内容が具体的になります。
2.職場情報の出どころと時点を聞く
「働きやすいですよ」という説明なら、何を根拠にしているかを聞きます。以前の勤務者の話なのか、最近の施設確認なのか、自分の配属予定部署にも当てはまるのかを整理しましょう。
担当者が知らないことは、応募先への確認や見学・面接で補います。内部情報を必ずすべて知っている相手と考えないことも大切です。
3.応募前と承諾前に、条件を自分でも読む
求人を紹介されたときは、雇用形態、勤務時間、給与の内訳、勤務地を確認します。内定後は、配属や入職日も含め、説明と書面に違いがないかを確かめましょう。
経験やできる業務も正確に伝えます。教育や支援が必要なことを隠すと、入職後に本人も受け入れる側も困りやすくなります。
民間サービス以外の窓口も知っておく
施設の採用ページから直接応募する方法や、都道府県ナースセンターの就業相談・無料職業紹介も選択肢です。日本看護協会は、ナースセンターやeナースセンターの利用を案内しています。日本看護協会の就業支援
公的な窓口は情報が少ない、民間なら情報が十分と、名前だけで優劣をつける必要はありません。希望する地域・働き方でどんな募集があり、何を相談できるかを確かめて選びましょう。
長く働ける条件を、応募の前に確かめよう
採用費の問題には、制度や契約、紹介の質、受け入れる職場の体制など、いくつもの論点があります。看護師個人の我慢だけで解決する話ではないと思います。
僕が読者の方に勧めたいのは、自分が続けやすい条件を言葉にして、応募前に確かめることです。紹介会社にも、その判断に役立つ説明や調整を求めてよいはずです。
必要な支援を検討したい方に向けて、当サイトでは看護roo!転職とレバウェル看護の相談内容・注意点を整理しています。自分の希望がまとまってから、利用する窓口を選んでください。