看護師がやりがいを感じる瞬間とは？無理と思ったときの対処法も詳しく解説

日々の業務に追われ、看護師としてのやりがいを見失う人は多くいます。この記事では、看護師がやりがいを感じる瞬間や、やりがいを感じられないときの対処法などを解説します。記事を読めば、看護師としてのやりがいを再確認することが可能です。

看護師の多くは、患者さんからの感謝の言葉や、自分のケアが患者さんの回復につながったときにやりがいを感じます。やりがいを見失ったときは初心に戻り、看護師を目指した理由や当時の熱意を思い出しましょう。

看護師がやりがいを感じる瞬間

看護師は患者さんの命や健康に関わる責任が大きい分、得られる充実感も大きくなります。看護師がやりがいを感じる瞬間は、以下のとおりです。

患者さんや家族から感謝の言葉をもらったとき

患者さんや家族からの感謝の言葉は、看護師としての仕事に大きなやりがいをもたらします。「あなたがいたから安心できた」「あなたのケアが1番良かった」などの言葉は、看護師としての自信につながります。退院時や終末期ケア後の感謝の言葉は、看護師になって良かったと心から感じられる瞬間です。

子どもからの似顔絵のプレゼントや家族からの感謝の手紙なども、看護師としてのモチベーションにつながります。

患者さんの回復を見届けたとき

毎日のケアや観察が患者さんの回復につながり、成果が目に見える形で表れたとき、看護師としての存在意義を実感できます。看護師が患者さんの回復を実感できる瞬間の例は、以下のとおりです。

退院後に訪れた患者さんとの再会は、看護師にとって特別な瞬間です。完全な回復でなくても、個人の状態に合わせた最善のケアを提供できたときは、看護師としての喜びを感じられます。

多職種と連携して成果を出せたとき

医師や薬剤師、理学療法士、栄養士などと協力して成果が出たときは、チーム医療の一員としての達成感を得られます。それぞれの専門性を尊重して力を合わせると、患者さんのQOL向上に貢献できます。多職種との連携を通じて専門的知識が身に付くと、自分自身のスキルアップも可能です。

看護師としての視点や判断が他職種から評価されると、専門職としての自信につながります。

自分の判断が適切なケアにつながったとき

看護師が患者さんの状態を的確に医師に報告し、治療方針の決定に貢献できたとき、大きなやりがいを感じます。患者さんや家族の訴えを丁寧に聞き取ると、適切なタイミングでサポートを提供できます。患者さんの状況に合わせて退院指導を調整し、自宅での療養がスムーズに進んだ場合は、看護師としての配慮が実を結んだ証拠です。

看護師が認知症患者の行動の意味を理解することで、より効果的なコミュニケーション方法を見出せます。終末期の患者さんの苦痛を軽減するケア方法を考案し、穏やかな最期を支援した経験は、看護師としての誇りにつながります。

【職場別】看護師のやりがい

各職場によって、看護師の感じるやりがいは異なります。看護師のやりがいについて、以下の職場別に解説します。

病棟看護師のやりがい

病棟看護師のやりがいは、患者さんの入院から退院までの過程に深く関われる点です。長期的な関係を築く中で、患者さんが名前を覚えてくれたり、退院時に感謝の言葉をくれたりする場面でやりがいを感じます。

病棟では24時間体制で看護ケアを提供するため、患者さんの容態の急変に対応する場面も多々あります。緊急時に適切な判断と行動ができたときは、病棟看護師ならではの達成感を感じられます。専門的な看護技術を実践できる機会が多い点も病棟看護師の特徴です。

病棟看護師は、点滴や医療処置だけでなく、食事介助などの生活全般のサポートを通じて幅広い看護スキルを磨けます。

外来看護師のやりがい

外来看護師は、定期的に通院する患者さんと継続的に関わる中で、深い信頼関係を育めます。慢性疾患の患者さんに対するセルフケア指導は、外来看護師の重要な役割です。患者さんが生活習慣を改善し、健康状態が良くなった場合に、外来看護師は大きなやりがいを再認識できます。

外来看護師は、短時間で的確なトリアージ判断をする専門性や多様な症状に対応するといった幅広い知識が必要です。急変時に迅速な対応で患者さんの命を救ったときには、大きな達成感を得られます。予約管理や待ち時間短縮などの運営効率化への貢献も、外来看護師のやりがいにつながります。

手術室看護師のやりがい

手術室看護師は、患者さんの命を直接支える重要な役割を担うため、責任感とともに満足感を得られます。外科医や麻酔科医などと連携し、手術の流れを先読みして行動できたときに、手術室看護師ならではのやりがいを感じられます。

手術室看護師は、常に最新の医療技術や知識に触れられる環境で、看護師としての成長を実感しやすい点が魅力です。さまざまな手術に携わる中で、冷静な判断力や特殊な医療機器の操作スキルが身に付きます。急変時には迅速な対応が求められますが、緊張感のある瞬間を乗り越えたときに大きな充実感を得られます。

透析看護師のやりがい

透析看護師は、患者さんの症状の安定やQOLの向上が見られたときにやりがいを感じます。透析中の安全管理や急変時の対応は、透析看護師の重要な役割です。透析看護師は、適切な観察と判断で患者さんの命を守れたときに、看護師としてのやりがいを実感できます。

透析看護師は、患者さんの家族も含めて包括的に支援する中で、多くの人を精神的に支えます。

訪問看護師のやりがい

患者さんの自然な姿や生活環境に合わせることで、最適な看護を提供できます。患者さんの「自宅で過ごしたい」などの願いをサポートできたときに、訪問看護師ならではのやりがいを再認識できます。

訪問看護師は、地域に根差した活動を通じ、社会貢献を実感できる点も魅力の一つです。

施設看護師のやりがい

施設看護師のやりがいは、同じ利用者と長く関わる中で一人ひとりの人生に寄り添える点です。介護施設では、介護士やケアマネージャー、医師などとチームでケアをする中で、看護師としての達成感を得られます。施設看護師は、急変時には看護師としての専門性を発揮し、命を救う責任ある立場です。

医療処置だけでなく、利用者のQOL向上に直接貢献できる点も、施設看護師のやりがいにつながります。

美容看護師のやりがい

美容看護師のやりがいは、美容と医療の知見を活かして患者さんをサポートできる点です。シミやシワが気になっていた患者さんが施術後に鏡を見て笑顔になる瞬間、美容看護師は大きなやりがいを感じられます。最新の美容医療技術や機器を扱い、常に新しい知識を吸収し続けられるため、自分自身の成長にもつながります。

看護師がやりがいを感じられない理由

看護師がやりがいを感じられないときは、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。看護師がやりがいを感じられない主な理由は、以下のとおりです。

人間関係のストレス

医師や上司からの理不尽な命令は、精神的に大きな負担をもたらします。忙しい現場では感情的な言葉で責められる場合も多く、看護師の自信ややりがいの喪失につながります。陰口やハラスメントが存在する職場環境では、毎日の出勤が苦痛です。

チームで働く医療現場では、人間関係のトラブルや対立が業務効率や患者さんへのケアの質を低下させます。理不尽なクレームや過度な要求への対応、感情的な患者さんや家族への対応などもストレスの原因です。人手不足の現場では、忙しさのあまり十分なコミュニケーションを取れないため、人間関係がさらに悪化します。

勤務時間の長さと夜勤の負担

看護師の多くは、長時間勤務と夜勤による疲労が大きく、やりがいを感じる余裕がありません。2交代制や3交代制の勤務形態では、1度に12時間程度働く場合もあり、身体への負担が大きくなります。

夜勤手当は支給されるものの、夜間帯の少人数の業務遂行には大きな責任とストレスが伴うため、心身の負担に見合っていません。看護師にとって夜勤後の疲労感は想像以上に強く、日常生活にも影響を与えます。不規則な勤務形態により体内時計が狂うと、以下の影響が生じます。

育児や介護をしながら働く看護師にとっても、不規則な勤務時間は大きな障壁です。自分の時間が取れず、看護師としてのやりがいを感じる余裕よりも疲労感の方が大きくなります。

ミスへのプレッシャー

医療ミスは患者さんの命に直結しますが、ミスへのプレッシャーが強すぎると、看護師としてのやりがいを感じにくくなります。1つのミスが医療訴訟につながるため、看護師は忙しい中でも集中力を維持する緊張感が必要です。夜勤や疲労時でも判断力を保つ必要があるため、プレッシャーが大きくなります。

新人看護師は経験不足による不安感がより強いため、チーム全体でのサポートが必要です。

看護師がやりがいを感じられないときの対処法

看護師がやりがいを見失うと、心身の健康だけでなく患者ケアの質も低下するため、注意が必要です。看護師がやりがいを感じられないときは、以下の対処法を試しましょう。

自分に合った対処法を見つけ、無理なく実践しましょう。

初心を思い出す

日々の業務に追われていると「患者さんの回復を支え、人の役に立つ」という看護師の本質的な価値を見失います。看護師としてのやりがいを見失ったときは以下の点を思い出し、初心に立ち返りましょう。

先輩看護師の仕事への姿勢や情熱に刺激を受けると、看護師としての原点を思い出せます。看護師としての自分の成長過程を振り返るのも効果的です。新人の頃と比べ、知識・技術・コミュニケーション能力がどのように向上したかを振り返ると、自信を取り戻せます。

同僚や上司に相談する

看護師としての悩みは1人で抱え込まず、同僚や上司に相談しましょう。信頼できる同僚や上司に悩みを打ち明け、具体的な状況や自分の感情を率直に伝えると、客観的な視点からアドバイスを得られます。多くの看護師が過去に似た悩みを経験しているため、相談するだけでもストレスが軽減します。

悩み相談窓口やカウンセリングサービスが職場にある場合は、遠慮なく活用しましょう。

気分転換の方法を見つける

看護師の仕事は精神的にも肉体的にも負担が大きいため、定期的な気分転換は必須です。看護師におすすめの気分転換の方法は、以下のとおりです。

自分の感情を整理するために、日記を書くのもおすすめです。日々の生活の中では、仕事と私生活を明確に分ける習慣を付けましょう。休日に「完全オフの日」を作り、仕事について考えずに過ごすと、心身ともにリセットできます。

スキルアップを目指す

看護師としてのやりがいを感じられないときは、新しい知識や技術を習得するとモチベーションが高まります。以下の方法でスキルアップを目指しましょう。

看護師が新しい医療技術や看護技術を学ぶと、より良いケアを提供できる喜びを実感できます。専門書を読んだり、メンターを見つけて指導を受けたりする方法もおすすめです。
» 看護師の資格の種類とは？取得方法と働き方を解説！

転職を考える

看護師としてのやりがいを感じられない状況が続く場合、転職を検討するのも方法の一つです。転職を考える場合は、転職サイトやエージェントを活用して情報収集をしましょう。病院以外の職場を調べたり、転職経験者の体験談を参考にしたりすると効果的です。

看護師には病院だけでなく、クリニックや企業、教育機関などの幅広い活躍の場があります。転職前に新たな資格を取得したり、専門分野の知識を深めたりすると、キャリアの可能性が広がります。
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» 看護師転職のベストタイミングを解説

まとめ

看護師は、患者さんから感謝の言葉をもらったときや回復を見届けたときなどにやりがいを感じます。病棟看護師や外来看護師など、職場環境によってもやりがいは多様です。看護師は、人間関係のストレスや長時間勤務、夜勤の負担、ミスへのプレッシャーなどから、やりがいを見失う場合も多くあります。

やりがいを見失ったときは、初心に立ち返り、定期的に気分転換をすると効果的です。看護師を目指したときの熱意や理由を思い出し、自分なりのやりがいを大切にしましょう。