看護師の種類と役割を徹底解説!自分に合った職場を見つけるためのポイント

看護師の種類と役割を徹底解説!自分に合った職場を見つけるためのポイント

看護師として働く中で「専門分野が見つからない」「仕事の選択肢を知りたい」と悩んでいる方がほとんどです。この記事では、看護職の種類や役割、資格、職場の種類などを解説します。記事を読めば、自分に合った看護師のキャリアパスを見つけるヒントが得られます。

看護職の種類と役割

看護職の種類は以下のとおりです。

  • 正看護師
  • 准看護師
  • 助産師
  • 保健師

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正看護師

正看護師は、国家試験に合格した看護の専門家です。厚生労働大臣の免許を持ち、正看護師は医療現場で中心的な役割を担っています。正看護師の仕事は医師の診察を助け、患者の療養生活を支えることです。

正看護師の業務は以下のとおりです。

  • 患者の状態を注意深く観察し、記録に残す
  • 医師の指示にもとづいて点滴や注射、薬の管理を行う
  • 患者や家族に病状や治療の説明をする
  • 一人ひとりに合わせた看護計画を立て実行する

正看護師は准看護師よりも高度な医療行為が可能なため、チーム医療を円滑に進める調整役としても活躍しています。認定看護師や専門看護師などの資格を取得すれば、専門性を高めることが可能です。正看護師は給与水準が准看護師よりも高く、海外で働く道も開けます。後輩の指導や教育も担うなど、幅広い活躍の場があります。
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准看護師

准看護師は、医療現場で重要な役割を果たす看護職の一員です。正看護師の指示のもとで准看護師は看護業務を行います。准看護師になるには、2年以上の准看護師学校または准看護師養成所での教育が必要です。

准看護師の業務内容は以下のとおりです。

  • 患者の観察と記録
  • 基本的な看護ケアの提供
  • 医療チームの一員としての他職種との連携

准看護師の勤務先は病院やクリニック、介護施設などがあり、経験を積むと正看護師を目指せます。正看護師と比べると業務範囲に制限はありますが、地域によっては人材が不足しており、需要が高まっています。

助産師

助産師は妊娠や出産、産後の母子ケアを専門とする看護職です。正看護師資格に加え、助産師国家試験に合格して免許を取得した看護の専門家となります。助産師の役割は、安全な出産の介助や生まれたばかりの赤ちゃんのケアです。助産師は妊婦健診や母親学校での指導も行い、産後の心のケアや育児相談にも応じます。

不妊治療や更年期障害など、女性の一生を通じた健康も助産師がサポートします。助産師は医師の指示なしで一部の医療行為を行えるため、助産院を開業することも可能です。地域の母子保健活動にも積極的に携わり、女性と子どもたちの健康を守る存在です。

保健師

保健師は、地域住民の健康を守る役割を担う看護職です。病気の予防や健康づくりに力を注ぎ、保健師は公衆衛生の向上に貢献します。保健師になるには看護師免許取得後、専門課程を経て国家試験に合格する必要があります。保健師の仕事内容は健康診断や健康相談、家庭訪問による保健指導です。

感染症の発生時には、保健師が対策の計画や実行の中心にもなります。母子保健や高齢者の健康支援も、保健師の役割です。保健師の勤務先は、保健所や保健センターなどです。地域の健康課題を把握し、解決策を考え、実行に移します。企業の健康管理室で働く保健師も増えています。

保健師は災害時に被災者の健康を守るために尽力する、地域に根ざした専門家です。

看護師の専門分野と資格

看護師の専門分野と資格は、以下のとおりです。

  • 認定看護師
  • 専門看護師

認定看護師

認定看護師は、特定の看護分野で高度な知識と技術を持つ看護のスペシャリストです。日本看護協会が認定する資格には、がん化学療法看護や緩和ケア、感染管理など21の専門分野があります。認定看護師になるには実務経験が5年以上あり、特定分野で3年以上の経験が必要です。

認定看護師は6か月間の教育課程を修了し、認定試験に合格する必要もあります。認定看護師の役割は質の高い看護ケアの提供です。他の看護師への指導や相談対応も、重要な仕事の一つです。資格は5年ごとの更新制度があるため、常に最新の知識とスキルを維持できます。

認定看護師は専門看護師と比べて、実践的なスキルに重点を置いているのが特徴です。病院や施設での需要が高く、認定看護師はキャリアアップの選択肢として人気があります。特定の分野で専門性を高めたい方に最適な資格です。

専門看護師

専門看護師は、医療現場で高度な看護実践能力を発揮する資格です。資格の取得には、修士課程の修了と3年以上の実務経験が必要となります。専門看護師が活躍する分野は、以下の6つです。

  • がん看護
  • 精神看護
  • 地域看護
  • 老年看護
  • 小児看護
  • 慢性疾患看護

専門看護師は各分野で高度な知識と技術を持ち、チーム医療のリーダーシップを発揮します。患者や家族への直接的なケアだけでなく、他の看護師への指導や相談役としても専門看護師は重要な存在です。専門看護師の大切な役割として、看護研究の実施と成果の普及があり、医療機関全体の質の向上に貢献しています。

認定看護師と比べると、専門看護師は高度な実践能力と研究能力が必要です。複雑な医療ニーズに対応できる高い専門知識を持つ専門看護師は、医療現場の最前線で活躍しています。

看護師の職場の種類

看護師の職場の種類は、以下のとおりです。

  • 病院
  • 介護施設
  • 訪問看護
  • クリニック
  • 保健所
  • 地域医療センター
  • 一般企業

病院

病院は看護師にとって、一般的な職場の一つです。患者の命を守る重要な役割を担い、病院はやりがいを感じられる環境です。病院で働く看護師は急性期から慢性期、回復期までさまざまな患者と関わるため、専門性の高い看護スキルが求められます。看護師は24時間体制の勤務が基本で、チーム医療の中心的な役割を果たします。

病院で働くメリットは、大規模な組織で多くの同僚と働けることや、最新の医療技術や設備に触れる機会が豊富なことです。病院は救急対応や緊急時の対応スキルを磨き、多様な病例や患者と関わることで経験を積めます。一方で、夜勤や休日出勤など不規則な勤務形態があり、患者数が多いため業務量も多くなる傾向があります。

病院の勤務は状況によって、ストレスや身体的負担が大きくなる点に注意が必要です。病院で働く看護師には高度な専門知識と技術、患者への思いやりの心が求められます。キャリアアップの機会や研修制度が充実している場合が多いため、自己成長を目指す看護師に病院は魅力的な職場です。

介護施設

介護施設は高齢者の方々の健康と生活の質を支える場所です。看護師は医療的ケアと介護の両方を担当する重要な役割を果たしています。介護施設で働く看護師の主な業務は配薬準備や服薬管理、インスリンの管理や投与など、高齢者の健康管理です。

介護施設は以下の種類があります。

  • 介護老人保健施設
  • 認知症グループホーム
  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

介護施設では24時間体制での勤務が一般的で、チームケアの重要性が高く、介護職員との連携が不可欠です。利用者を尊重した暮らしを支えるために、看護師は利用者本人の希望や生きがいにも配慮したケアが求められます。介護施設では病院で行う高度な医療処置は少ない傾向にあります。

特別養護老人ホームでは、看取りやターミナルケアも看護師の大切な仕事です。介護施設は医師が常駐していない場合も多く、感染症対策は医療職である看護師が中心的な役割を担います。

訪問看護

訪問看護は、患者の自宅を訪問して看護サービスを提供する専門職です。看護師は在宅療養を支える中心的存在として医療処置の実施や健康管理のサポート、リハビリテーション支援などを実施します。患者や家族への指導、相談も看護師の重要な仕事です。

訪問看護師は、24時間365日対応可能な体制で患者と家族の安心を支えています。ワークライフバランスを取りやすく、キャリアアップの機会も豊富です。訪問看護師には、高度な判断力と臨機応変な対応が求められます。地域包括ケアシステムの重要な担い手として、訪問看護はやりがいのある仕事です。

クリニック

クリニックは看護師が医師の診療補助を中心に幅広い業務を担当する、地域密着型の小規模医療施設です。外来診療が中心で、クリニックは入院設備がないか19床以下の規模です。クリニックでの看護師の仕事には、外来患者のケアや患者との直接的なコミュニケーション、医師との密接な連携などがあります。

クリニックの特徴は夜勤が少なく勤務時間が比較的短い点です。特定の診療科目に特化したクリニックでは、特定分野の専門知識を深められる機会が多くあります。患者との継続的な関わりを通じて、長期的な視点での看護ケアを提供します。

クリニックは小規模な職場のため、柔軟な勤務体制が取りやすく、ワークライフバランスを重視したい看護師におすすめです。アットホームな環境で地域医療に貢献したい看護師にとって、クリニックはやりがいのある職場だと言えます。

保健所

保健所は、看護師が地域の公衆衛生を守る重要な役割を担う職場です。保健所で働く看護師の業務は、以下のとおりです。

  • 地域住民の健康相談や保健指導
  • 予防接種の実施
  • 感染症対策
  • 母子保健や高齢者保健の推進
  • 食品衛生の監視指導
  • 地域の健康課題に対する調査研究や統計業務

保健所は地方自治体が運営する施設であるため、看護師は地方公務員として勤務します。勤務形態は日勤のみで、日曜日や祝日が休みとなるケースが多いため、保健所はプライベートと職務を両立しやすい環境です。保健所は、臨床現場とは異なる視点から看護の専門性を発揮したい方に適しています。

地域医療センター

地域医療センターは、看護師が専門性を高めながら地域医療に貢献できる職場です。地域の医療ニーズに応える中核的な役割を担い、地域医療センターは一次から三次までの救急医療を24時間体制で提供します。地域医療センターは高度な医療機器を使った診断や治療を実施します。

地域医療センターで働く看護師には、幅広い診療科での高度な看護の提供や他職種と連携したチーム医療の実施などが欠かせません。地域医療センターでは、最新の医療技術や設備に触れる機会が多く、継続的なスキルアップやキャリアアップが可能です。

一般企業

一般企業でも看護師の専門知識や経験を生かせます。企業看護師の役割は、従業員の健康を維持し、働きやすい環境を整えることです。業務内容は、健康診断の実施とフォロー、メンタルヘルス相談やストレスチェックの実施、健康不良時の対応などです。

一般企業では病院と異なり、医療行為よりも予防や健康維持が中心となります。企業内の医務室や健康管理室に常駐し、従業員の健康管理や生活指導を実施します。企業看護師の勤務形態は平日は9~17時の週休2日制が基本で、夜勤や土日出勤は原則ありません。ワークライフバランスを重視したい方に一般企業は魅力的です。

企業看護師以外の選択肢として医療機器メーカーや製薬会社、治験コーディネーターなどの職種もあります。医療機器メーカーや製薬会社などでは、看護師としての知識や経験を生かしながら、新しい分野にチャレンジ可能です。一般企業では医療現場とは異なる環境で、看護師のキャリアの幅を広げられます。

看護師のキャリアプランの種類

看護師には、さまざまなキャリアプランがあり、専門性を高めたり新たな役割に挑戦したりできます。主なキャリアプランは、以下のとおりです。

  • 臨床現場
  • 専門分野
  • マネジメント
  • 教育・研究分野
  • 地域・公衆衛生分野

臨床現場

臨床現場での経験は、看護師としての基盤を築く重要なステップです。臨床現場では、病棟や手術室、救急外来などで患者ケアを行いながらスキルを磨きます。特定分野での専門性を高めると、専門看護師や認定看護師として活躍する道が開けます。臨床現場の代表的な分野は、がん患者や救急看護、在宅医療などです。

患者に直接接することで、さまざまなケースに対応する力が養われ、看護師としての成長が促されます。認定看護師資格を取得し、手術室で高度な技術を提供するスペシャリストとして活躍できます。

専門分野

特定分野での専門性を追求し、看護師として高度な知識と技術を身に付けるキャリアもあります。専門看護師や認定看護師などの資格を取得すると、特定領域でのエキスパートとして活躍可能です。特定領域には、精神看護や慢性疾患看護などがあります。

大学院修了が必要な場合もあり、チーム医療で指導的役割を担うことも期待されます。深い専門知識と実践力は、患者のQOL向上や医療チームへの貢献に不可欠です。精神看護専門看護師が、精神科病院で患者ケアとスタッフ教育を兼任する働き方もできます。

マネジメント

マネジメントは、看護部門の管理や運営に携わるキャリアです。主任や師長、看護部長などの管理職として、看護師のスケジュール管理や人員配置、安全管理や教育などを担当します。組織全体の看護の質を高め、看護師が専門的な能力を発揮できる環境を構築することで、患者への適切なケア提供に貢献できます。

マネジメントには、組織のリーダーとしての力が必要です。看護師のキャリアプランとしてマネジメントを選択する場合、看護管理者研修の受講やマネジメント資格の取得が有利です。

教育・研究分野

教育・研究分野は、次世代の看護師育成や看護学の発展に貢献するキャリアです。看護学校や大学で教員として学生の指導にあたったり、研究機関で看護研究に従事したりします。教育分野では大学の助手や教授、専門学校の専任教員として活躍できます。

大学教授になるためには、修士や博士の学位が必要なケースが多く、臨床経験を積んだうえで必要な研修を受けるのが一般的です。教育や研究分野を選択すれば、看護学の進歩に貢献でき、将来の医療を支える人材育成に関われます。

地域・公衆衛生分野

地域・公衆衛生分野は、地域住民の健康維持と向上を支援するキャリアです。保健所や市区町村の保健センター、企業の健康管理室などで働き、地域の健康課題に取り組みます。看護師から保健師へのキャリアアップも可能です。

保健師には保健指導や健康教育のスキル、地域診断能力、多職種連携のコーディネート力などが求められます。地域・公衆衛生分野を選択すれば、個人だけではなく、地域全体の健康レベルに寄与し、予防医学の観点から社会に貢献できます。

まとめ

看護師の種類には正看護師や准看護師、助産師、保健師などがあり、役割や必要資格が異なります。認定看護師や専門看護師などの専門資格を取得すると、より高度な知識と技術を身に付けることが可能です。看護師は職場の選択肢も豊富で、病院や介護施設、クリニックなど、さまざまな環境で働けます。

看護師のキャリアプランは臨床現場でのスキルアップや専門分野の深化、教育・研究者としての道などです。看護師は自分の適性や希望に合わせたキャリア形成が可能な職業です。
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