厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」の看護師ページでは、令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査を加工した全国の年収として、524.7万円が表示されています。2026年9月に確認した数値です。job tag「看護師」
ただし、この数字がそのままあなたの適正給与や、転職先で受け取れる年収を表すわけではありません。新卒か経験者か、夜勤の有無、勤務先、役職などの条件で収入は変わります。
この記事では、平均年収の読み方と、求人票や給与明細を使って自分の条件を比較する方法を整理します。
平均年収は、調査年と計算方法を確かめて読む
| 確認項目 | 今回紹介する統計 |
|---|---|
| 掲載元 | 厚生労働省 job tag「看護師」 |
| 元の調査 | 令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査 |
| 全国の賃金・年収 | 524.7万円 |
| 計算方法 | きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額 |
| このサイトでの確認時期 | 2026年9月 |
計算方法はjob tagの統計データの留意事項に示されています。基本給だけを12倍した数字でも、税・社会保険料などを差し引いた手取りでもありません。
また、job tagには職業分類に対応する統計が掲載されており、必ずしも掲載職業だけの集計とは限らないという注意書きがあります。比較するときは、調査の対象や雇用形態も確認することが大切です。
平均より低いから直ちに不当な給与だと判断したり、平均以上だからよい職場だと判断したりせず、自分と求人の条件をそろえて見ていきましょう。
基本給・月給・年収・手取りの違いを整理する
| 言葉 | 比較するときの注意点 |
|---|---|
| 基本給 | 手当を含む総額とは分けて確認する。賞与などの算定基準も見る |
| 月給・月収 | 求人で何の手当を含むか確認する。夜勤回数や残業の前提も見る |
| 年収 | 毎月の給与と賞与などを合わせた年間額。初年度と翌年度を分ける |
| 手取り | 額面から税・社会保険料などが差し引かれた金額。個人の条件で変わる |
たとえば、月給の表示に夜勤4回分の手当が含まれている求人と、基本給だけを表示した求人は、そのまま比較できません。住居手当なども、全員が受け取れるとは限りません。
自分の年収を振り返る際には源泉徴収票や給与・賞与明細を確認し、求人の年収モデルと対象期間や含まれる項目をそろえましょう。
求人の年収は、条件を分けて試算する
ここでは計算の考え方を示すため、架空の条件で試算します。実際の病院の給与や平均値ではありません。
基本給25万円、毎月必ず支給される手当2万円、賞与が基本給の4か月分という条件なら、夜勤・残業を含めない年間額は「27万円×12+25万円×4=424万円」です。
さらに夜勤手当が1回1万2,000円で、毎月4回担当すると仮定すると、年間の夜勤手当は57万6,000円です。この仮定での合計は481万6,000円になります。
同じ計算でも、賞与の算定基礎、夜勤開始の時期、欠勤や入職月などの条件が違えば結果は変わります。提示額の保証ではないため、採用担当者に実際の条件で確認してください。
試算は、夜勤や残業を増やすためではなく、どの収入が勤務回数に左右されるかを知るために使いましょう。
経験・資格・役職で、必ず一定額上がるわけではない
経験を評価する方法や昇給の仕組みは、勤務先ごとに異なります。中途採用では、これまでの経験年数が給与にどう反映されるかを確認してください。同じ経験年数でも、採用職種や役割で条件が変わる場合があります。
認定看護師・専門看護師などの資格も、取得すれば全国一律に手当がつく制度ではありません。資格手当の対象、担当する役割、学費や研修時間への支援を確認します。看護師のキャリアアップの選択肢
管理職への昇進も、役職手当だけで比較せず、夜勤回数やほかの手当、業務と責任の変化を合わせて考えましょう。「資格を取れば年30〜50万円増える」といった根拠のない目安で学習計画を立てないことが大切です。
勤務先や地域は、年収ランキングだけで選ばない
大学病院、一般病院、クリニック、訪問看護、介護施設などでは、仕事内容も勤務条件も違います。「大学病院が必ず高い」「クリニックは必ず低い」といった順番では、個別の求人を正確に比較できません。
地域を変える場合は、給与に加え、住居費、通勤費、引っ越し費用、利用できる手当を確認します。給与差があっても、生活に使える金額や時間の差は同じとは限りません。
大学病院の提示額の読み方は大学病院の看護師の給与と年収の確認点でも紹介しています。職場名より、実際の契約条件を比べてください。
収入を見直すときは、基本給と評価の仕組みから確認する

現在の職場でできることとして、給与の内訳、昇給・評価の基準、手当の適用条件を確認する方法があります。担当業務や役割が変わっているなら、その評価について相談することもできます。
転職を検討する場合は、必要な年収と、無理なく働ける条件をセットで整理します。夜勤や残業が多くないと希望年収に届かない求人なら、その勤務を続けられるかも大切な判断点です。
夜勤手当の金額だけでなく、一回の勤務時間や休息、応援体制も見ます。看護師の夜勤と職場選び
求人・面接で確認したい給与の質問
- 提示された月給・年収に、どの手当が含まれていますか
- 夜勤や残業は、何回・何時間を想定していますか
- 経験年数は、どのように基本給へ反映されますか
- 賞与の算定基礎と、初年度の支給条件を教えてください
- 固定残業代がある場合、対象時間・金額と、超過分の扱いを教えてください
- 昇給・資格手当・役職手当の条件は何ですか
確認した内容は、内定後の労働条件通知書などの書面と照合します。口頭の目安や過去の実績と、今回の契約条件を混同しないようにしましょう。
年収に関するよくある疑問
夜勤なしでは平均年収に届かない?
夜勤なしの条件だけで全国一律の年収は決まりません。基本給、職場の規程、役割、賞与などによって変わります。夜勤ありの平均額から、仮の手当を差し引いて自分の年収を確定させないようにしてください。
看護師で年収1,000万円を目指せる?
通常のスタッフ採用、管理職、経営などでは前提が大きく違います。高い年収を示す求人や体験談があっても、誰でも同じ結果になるわけではありません。対象人数や条件を確認できない「全体の何%」などの数字では判断できません。
まずは希望する仕事の範囲で、基本給と役割がどう評価されるかを調べることが現実的な一歩です。
転職相談では、希望年収と勤務条件を一緒に伝える

看護roo!やレバウェル看護を利用する場合は、現在の給与の内訳、希望年収、夜勤の可否、地域、雇用形態を整理して伝えましょう。条件確認や交渉を相談できても、昇給や希望額での採用が保証されるものではありません。
担当者から年収モデルを聞いたら、何の手当を含むか、どの経験・勤務条件の人の例かを確認します。希望する連絡方法や転職時期も伝えて、自分のペースで比較してください。
看護roo!・レバウェル看護を中心とした転職サービスの比較を参考に、まずは一つの求人を現在の給与明細と並べてみましょう。金額と働き方を一緒に見ることで、自分にとって納得できる条件が分かりやすくなります。