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「今の科がつらいけれど、自分が看護師に向いていないだけかもしれない」「転職したいのに、次に何を選べばいいか分からない」。そんなときは、自分の性格に合う診療科を一つ当てようとするより、仕事の中で起きたことを振り返ってみましょう。
自己分析の目的は、自分に点数を付けることではありません。どんな場面で力を出しやすく、何が負担になり、次の職場に何を求めるのかを言葉にすることです。この記事では、ノートやスマホのメモで取り組める5ステップを紹介します。
最初の配属先が、自分にとってベストとは限らない
はやぴんは、配属先で何かを学ぼうと頑張ること自体は大切だと考えています。一方で、「そこで頑張ること」と「そこに居続けること」は、分けて考えてよいと思っています。
最初に配属された科だけで、看護師としての向き不向きを決める必要はありません。診療科に加え、勤務時間、教育の進め方、相談できる相手、チームの働き方まで見直してみてください。
「体育会系だから救急」「優しいから緩和ケア」といった性格だけの振り分けも、職場を選ぶには粗すぎます。同じ診療科でも、実際の業務や支援体制を確認してから、自分の希望と照らし合わせましょう。
働く場所を広く知りたい方は、看護師の働き方を職場・雇用形態・勤務時間で整理した記事も参考になります。
まずは短いメモから。自己分析の5ステップ

初めから学生時代まで振り返って、完璧な自己分析を仕上げる必要はありません。まずは15〜20分を目安に、最近の仕事から一つずつ書いてみましょう。答えが出ない項目は空欄で構いません。
ステップ1.「よかった場面」と「負担だった場面」を書く
抽象的な長所や短所よりも、実際の場面から始めます。「コミュニケーションが得意」「忙しいのが苦手」だけで終わらせず、誰と、どんな状況で、何をしたかを思い出してください。
| 書くこと | 振り返る問い |
|---|---|
| 場面 | いつ、どんな業務でそう感じたか |
| 自分の行動 | 自分が判断したこと、工夫したことは何か |
| 気持ち | うれしかったこと、負担だったことは何か |
| 周囲の条件 | 時間、人数、相談相手、教育の進め方はどうだったか |
| 次への希望 | 続けたいこと、変えたいことは何か |
患者さんや同僚を特定できる情報は書かず、仕事の状況と自分の行動に絞ってください。たくさん書くより、一つの場面を具体的にするほうが、その後の条件整理に使いやすくなります。
ステップ2.自分の課題と、職場の条件を分ける
負担だった場面は、「自分ができなかった」で終わらせず、何があれば取り組みやすかったかを考えます。
たとえば「初めての処置が多く、確認する相手が分からず困った」という場面なら、知識や手順を学ぶことと、確認先が分かる仕組みの両方が関係しています。どちらか一方だけを原因にする必要はありません。
| 自分で準備できること | 職場に相談・確認したいこと |
|---|---|
| 分からない手順を整理する | 不明点を誰に、どのタイミングで確認するか |
| 経験した業務と未経験の業務を伝える | 入職時の経験に合わせて教育を調整できるか |
| 自分の勤務上の希望を明確にする | 夜勤・残業・休暇の実際の運用はどうか |
人間関係や指導の困りごとは、自己分析だけで抱え込まず、出来事と希望する対応を整理して相談する方法もあります。看護師の人間関係がつらいときの整理と相談方法をご覧ください。
ステップ3.次の職場で譲れない条件を3つ選ぶ
希望が多くても構いません。ただし、すべてを同じ優先度にすると、求人を比較しにくくなります。「必ず確認したいこと」「できればかなえたいこと」「詳しく聞いてから決めること」に分けてみましょう。
たとえば「教育が手厚い職場がいい」という希望なら、次のように具体化できます。
- 入職前に、未経験の業務を伝えられること
- 分からないときの相談先が決まっていること
- 独り立ちまでの評価や面談の進め方を確認できること
給与や時間も同じです。「今より働きやすい」だけでなく、通勤時間、勤務できる曜日、夜勤回数など、自分が判断できる形にしていきましょう。数値は他人の基準を借りず、自分の生活から決めてください。
ステップ4.希望を、見学や面接で使う質問に変える
条件を決めたら、求人票だけで分かることと、応募先に聞くことを分けます。求人の言葉をそのまま受け取るより、実際の運用を確認しましょう。
| 希望 | 確認する質問の例 |
|---|---|
| 中途入職でも相談しやすい | 入職後の相談相手と、面談の頻度はどうなっていますか |
| 一人で抱え込みたくない | 判断に迷うときは、誰に相談する流れですか |
| 生活に合う勤務をしたい | この部署のシフト例や、夜勤・残業の実績を確認できますか |
| 新しい分野を学びたい | 未経験の業務は、どの順番で指導・評価しますか |
| 患者さんとの関わりを大切にしたい | 担当の持ち方と、一日の業務の流れを教えてください |
回答は、誰から、いつ聞いたかも記録しておくと比較しやすくなります。口頭で聞いた説明と求人票が違うときは、その場で決めず、条件を確かめましょう。
ステップ5.異動・働き方の調整・転職から次の行動を選ぶ
整理した条件を、まず現在の職場に当てはめてみてください。部署の異動、教育についての相談、勤務の調整などで改善できる余地はあるでしょうか。
そのうえで、今の職場で実現しにくい条件があるなら、他の職場の求人や見学を通して比較できます。自己分析をしたからといって、必ず転職を選ぶ必要はありません。
まだ判断材料が足りない場合は、「希望部署の一日の流れを知る」「中途入職者の教育体制を聞く」など、次に確かめることを一つ決めましょう。
記入例:同じ「忙しいのがつらい」でも、確かめる条件は変わる
次は説明のための架空の例です。はやぴん本人や、実際の相談者の体験談ではありません。
Aさんは、予定外の業務が重なったときに、一人で優先順位を決める場面が負担でした。一方で、先輩に状況を共有して進められた日は、忙しくても学びを感じていました。
この場合、「忙しくない科だけを探す」と決める前に、「重なった業務を誰と調整するか」「相談相手や支援の仕組みがあるか」を確認する余地があります。
Bさんは、連続する夜勤と長い通勤で、希望する生活時間を確保できていませんでした。業務内容への関心はあるため、まず夜勤回数、勤務時間、通勤距離を比較することにしました。
この二つの例のように、同じ言葉で表した悩みでも、次の職場で確認する内容は変わります。診療科の名前だけで結論を出さず、場面と条件を見ていきましょう。
自己分析で手が止まったときの対処法
長所が思い浮かばないとき
大きな成果を探さなくても構いません。確認を忘れないための工夫、引き継ぎで伝え方を変えたこと、分からないときに相談できたことなど、自分が実際にした行動を一つ書いてみてください。
信頼できる同僚に「一緒に働く中で、助かった行動はあった?」と聞く方法もあります。答えはその人から見た一つの視点として受け取り、具体的な場面と一緒に整理しましょう。
診断ツールの結果で迷うとき
性格診断や適性診断を、考えるきっかけに使うことはできます。ただし、その結果だけで診療科や職場を決めず、実際の経験と求人の条件で確かめてください。
ツールをたくさん使って結論が出なくなったら、最近の仕事で「続けたいこと」と「変えたいこと」を一つずつ選ぶところに戻ってみましょう。
希望が変わってしまうとき
最初に書いた希望を守り続ける必要はありません。求人を見たり、説明を聞いたりした後に、「これは大事だった」「ここは調整できそう」と書き直して構いません。変わった理由も残すと、判断の軸を説明しやすくなります。
転職の相談では、このメモをそのまま使う

求人探しや応募先への条件確認を手伝ってほしい方は、次の形にまとめておくと相談を始めやすくなります。
これまで経験した業務・分野:
次の職場でも続けたいこと:
今の職場から変えたいこと:
譲れない条件3つ:
調整できる条件:
転職を考える時期:
連絡を受けやすい時間・方法:
看護roo!転職やレバウェル看護に相談する場合も、「自分に合う職場を選んでください」と任せきりにせず、整理した条件を伝え、紹介された求人と照合してみましょう。希望の地域・資格・雇用形態への対応と、利用する支援内容は登録前に確認してください。
まだ求人紹介を必要としていない段階なら、今回のメモを使って院内の相談や公開求人の確認から進めても構いません。相談に申し込むときは、希望する支援と現在の検討段階を正直に伝えましょう。
自己PRや志望動機にも、具体的な経験を使う
振り返りで書いた「場面・自分の行動・学んだこと」は、応募書類にも使えます。経験以上に大きく見せるより、実際にどのように考え、行動したかを説明してください。
自己PRでは、看護師の自己PRの書き方、応募先を選んだ理由では、看護師の志望動機の書き方を参考にできます。
最初から完璧な答えを出す必要はありません。まず一つの経験を書き、次に確かめたい条件を一つ決めるところから始めてみましょう。