本記事には広告・PRを含みます。
「リーダー経験も特別な資格もない。自己PRに何を書けばいいのだろう」。そう感じたら、立派な実績を探す前に、日々の仕事で自分が工夫してきた場面を一つ思い出してみてください。
看護師の自己PRは、自分を実際以上に大きく見せるための文章ではありません。どんな状況で、何を考え、どう動いてきたかを伝え、応募先で担う仕事と合うかを確かめる材料です。
この記事では、経験を短い文章にする手順と、場面別の例文を紹介します。例文は説明のために作成した架空のもので、はやぴん本人や相談者の実績ではありません。
自己PR・志望動機・職務経歴は、伝える役割が違う
同じ経験を使っても構いませんが、各欄で何を伝えるかを決めると書きやすくなります。
| 項目 | 中心に書くこと |
|---|---|
| 自己PR | 自分が仕事で発揮してきた強みと、その具体的な行動 |
| 志望動機 | なぜその応募先を選び、そこで何に取り組みたいか |
| 職務経歴 | いつ、どの職場・部署で、どんな業務や役割を担当したか |
例えば退院支援の経験なら、自己PRでは「患者さんの疑問を整理して共有した工夫」、志望動機では「退院後の暮らしに関わる看護を続けたい理由」を中心にできます。
経験の見直し方は厚生労働省のマイジョブ・カード:自己PRの書き方も参考になります。応募先を選んだ理由は、看護師の志望動機の書き方で整理してください。
自己PRは、経験メモから4つの要素に整理する

1.最近の仕事から一場面を選ぶ
「コミュニケーション力」「責任感」といった言葉から始めると、文章が抽象的になりがちです。まずは、説明の仕方を変えた、分からないことを確認した、引き継ぎで工夫した、といった場面をメモします。
| 振り返る問い | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| どんな場面だったか | 説明の後も不安そうな様子があり、理解を確かめる必要があった |
| 自分はどう動いたか | 気になる点を聞き、説明済みの内容と追加確認が必要な内容を分けた |
| 誰と協力したか | 担当看護師や関係する職種へ、確認したい点を共有した |
| 何を学んだか | 説明を終えることと、相手が質問できることは別だと気づいた |
この表も架空の記入例です。実際に書くときは、患者さんや同僚を特定できる情報、カルテの文章、院内資料を持ち出さず、自分の行動が伝わる範囲で一般化してください。
2.行動に名前を付けて、強みを一つ選ぶ
メモの共通点から、「相手の理解を確かめながら説明する」「不明点を放置せず相談する」「次の人が動けるように情報を整理する」など、自分の行動が分かる言葉を選びます。
短い欄なら一つに絞ると書きやすくなります。十分な記入欄があり複数の強みが求められる場合は、見出しを分けても構いません。「必ず一つしか書いてはいけない」というルールではありません。
3.結果は、自分で説明できる範囲を書く
成果の数字がなくても、自分が実際に行った工夫や、その後に見直した対応は書けます。数値を使うなら、期間・対象・自分の関わりを説明できるものにしてください。
「自分が患者さんの命を救った」「満足度が大幅に上がった」といった表現は、根拠やチーム全体の働きが抜けやすくなります。自分が観察・報告・相談・実施した内容と、チームの成果を分けて伝えましょう。
4.応募先で活かしたい行動を添える
最後に、求人票や見学で確認した仕事内容と、自分の経験との接点を書きます。未経験の業務まで「一人で対応できます」と約束する必要はありません。経験のある部分と、指導を受けて身に付けたい部分を分けるほうが、入職後の相談にもつながります。
私の強みは、[仕事での行動]です。
[場面]で、[自分が行った工夫・周囲との協力]に取り組みました。
この経験から、[学んだこと・続けていること]を大切にしています。
応募先でも、[確認した仕事内容に関係する行動]に活かしたいと考えています。
看護師の自己PR例文4つと、自分用に直すポイント
以下は書き方を示す架空の例文です。勤務年数、役割、行動、応募先の情報を、自分の事実に置き換えてください。書いていない経験を足す必要はありません。
例文1:患者さんへの説明を工夫した経験
私が大切にしているのは、相手の理解を確かめながら説明することです。病棟で退院に向けた説明を担当した際は、一度に伝える情報を整理し、患者さんが気になっている点を先に伺いました。自分だけでは回答できない質問は担当者へ確認し、次の勤務者にも共有しました。今後も、説明をしたかだけでなく、疑問を相談できる状態になっているかを確かめながら関わりたいと考えています。
自分用に直すときは、実際に工夫した説明の順番や、質問を共有した方法を一つ選びましょう。「誰にでも分かりやすく説明できる」と範囲を広げすぎないことも大切です。
例文2:新人・後輩への関わりを工夫した経験
私の強みは、相手が相談しやすいように確認の機会をつくることです。後輩と業務を担当した際は、始める前に不安な点を聞き、終了後にも分からなかった点を振り返るようにしました。自分が判断できない内容は指導担当者に共有し、教える内容にずれが出ないよう確認しました。応募先でも、周囲と相談しながら情報を共有し、互いに確認できる関係づくりに取り組みたいと考えています。
正式なプリセプターを担当していない場合は、役職名を付けず「後輩と業務を担当した場面」と書きます。担当した人数や期間を加えるのは、正確に確認できる場合だけで十分です。
例文3:経験が浅く、学び方を伝えたい場合
私が意識しているのは、不明点を曖昧にせず、確認して次の行動につなげることです。病棟で経験のない業務を担当するときは、事前に手順と相談先を確認し、実施後に指導者からの助言を振り返りました。その後も同じ点で迷わないよう、学習する内容を整理してきました。まだ経験を重ねる必要がありますが、できることと確認が必要なことを自分で把握しながら学んでいきたいと考えています。
新卒の場合は、就業経験と実習で行ったことを明確に分けます。実習で指導者と一緒に行った援助を、単独で実施した業務として書かないようにしてください。
例文4:ブランクがあり、復職に向けた姿勢を伝える場合
私は、周囲と情報を共有しながら対応することを大切にしてきました。以前の病棟勤務では、患者さんの気になる変化を記録し、担当者へ相談するよう心がけていました。現在は復職に向け、過去に経験した業務と再確認が必要な技術を整理しています。入職後は施設の手順に沿って確認し、指導を受けながら業務を身に付けていきたいと考えています。
研修を受講していないのに「復職研修で学び直した」と加える必要はありません。過去の経験と現在の準備を分け、勤務できる曜日・時間などは応募先への確認事項として整理します。
「強みがない」と感じたら、頑張れた条件も振り返る
うまく言葉が出ないときは、「何でもできる看護師」を目指していないか振り返ってみてください。急いで判断する場面より、説明を組み立てる場面で力を出しやすい人もいます。反対に、状況を整理して周囲へ声をかけることを得意とする人もいます。
ただし、その違いだけで向いている診療科を決めることはできません。仕事内容、教育、相談体制、勤務時間も含めて、自分が働き続けやすい条件を考えましょう。自己分析で経験と希望を整理する5ステップも、その材料になります。
失敗を振り返った経験も、その後に確認方法を変えたなどの事実があれば材料になります。失敗を成功に書き換えたり、必要な説明を隠したりするのではなく、学びと行動を整理してください。
書き終えたら、文字数・事実・面接での説明を確認する
- 応募先の文字数・記入欄・提出形式に合っているか
- 冒頭の強みを、その後の行動で説明できているか
- 自分が行ったことと、チームの成果を分けているか
- 資格・役割・経験期間が履歴書や職務経歴書と一致しているか
- 患者さんや職場の内部情報が含まれていないか
- 「具体的には?」と聞かれたとき、自分の言葉で説明できるか
自己PRの文字数は一律に200〜300字と決まっていません。指定がある場合はそれに従い、指定がなければ欄の大きさに合わせて、背景説明を減らすなどして整えます。面接でも全文の暗記を目指すより、強み・場面・行動・応募先で活かしたいことの順に話す練習をしてみましょう。
経験に合う求人や、応募書類の伝え方を相談したいとき

文章だけ直しても、希望する業務や教育体制が合わなければ、入職後につらくなるかもしれません。自己PRを整理したら、「この経験を活かしたい」「この業務は指導を受けたい」という条件も一緒に確認してください。
看護師としての転職で、求人紹介と応募準備の支援を受けたい方は、看護roo!転職とレバウェル看護の比較・選び方を参考にしてください。相談時には、応募したい領域と、自分の経験をどう伝えるか迷っている点を共有すると話を進めやすくなります。支援内容や対象となる求人は、利用前に確認しましょう。
書類作成だけを相談したい場合は、ハローワークの応募書類作成支援もあります。新卒の方は、学校の就職支援や応募先の新卒採用窓口を確認してください。