看護師の残業がつらいときに|労働時間の確認と残業の少ない職場の選び方

看護師の残業がつらいときに|労働時間の確認と残業の少ない職場の選び方

記録が終わらない、勤務前の情報収集が当たり前、残業を申請しにくい。こうした状況を「自分の仕事が遅いから」と一人で引き受けていませんか。

残業には業務の進め方だけでなく、担当人数、配置、記録方法、会議や引き継ぎの運用も関わります。この記事では、実際の勤務時間を整理する方法と、改善の相談、転職先を比較するときの質問を紹介します。

「残業は月何時間?」の前に、集計に含まれる時間を確認する

ノートで希望する勤務条件を整理する様子

病院全体の平均残業時間だけでは、配属先での働き方は分かりません。対象部署、日勤・夜勤、常勤・非常勤、集計期間をそろえて確認することが大切です。

特に「申請した残業」と「実際に働いた時間」に差がないかを見ます。勤務前の情報収集や、打刻後の記録を除いた数字なら、求人票の残業時間が少なくても早く帰れるとは限りません。

見たい時間確認すること
勤務開始前情報収集や準備をいつ行い、どう打刻しているか
勤務終了後記録、引き継ぎ、後片付けまで含めて申請できるか
会議・研修参加の義務や指示があるものを勤務として扱うか
休憩中電話やナースコールへの対応を離れ、実際に休めるか
自宅での業務記録や資料作成の持ち帰りが発生していないか

全国平均より少ないことと、自分にとって無理なく続けられることは別です。まずは今の勤務の実態を整理しましょう。

始業前の準備や研修も、労働時間になることがある

労働時間は、使用者の指揮命令下にある時間で判断されます。必要な準備や後片付け、参加が義務付けられた研修などは、「始業前」「自主勉強」という呼び方だけで労働時間から外せるものではありません。厚生労働省・労働時間の適正把握ガイドライン

日本看護協会も、業務に必要な勤務前の情報収集や研修の扱いを説明しています。残業を減らすために、同じ業務を打刻前へ移すのでは解決になりません。日本看護協会・看護職の仕事と給与

実際の始業・終業、休憩できなかった時間、業務の内容、申請した時間を自分用に記録しておくと、相談の際に状況を伝えやすくなります。患者情報や施設の機密資料を、証拠のために私物へコピー・持ち出ししないようにしてください。

残業の上限と、体調を守る判断は分けて考える

所定の終業時刻を超える時間と、法定労働時間を超える時間外労働は同じとは限りません。交代勤務で使われる変形労働時間制もあるため、制度と勤務表を踏まえた確認が必要です。

時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があり、必要な労使の手続きを取る場合にも上限があります。一定の1年単位の変形労働時間制では原則の限度が月42時間・年320時間となるなど、適用する制度による違いがあります。厚生労働省・過重労働の防止

一般の特別条項にも、時間外労働年720時間以内、休日労働を含めて単月100時間未満・2~6か月平均80時間以内などの制限があり、原則の月45時間を超えられるのは年6か月までです。人手不足なら無制限に延長できる制度ではありません。厚生労働省・時間外労働の上限規制

これらは「その時間までは体調を崩さない」という目安ではありません。眠れない、疲労が抜けない、集中できないなどの不調があるときは、時間数が少なくても上司や産業保健スタッフ、医療機関への相談を考えてください。

今の職場で、何を変えれば帰れるかを相談する

働く条件や困っていることを相談する様子

相談するときは、残業の原因を「記録が終わらない」だけで終わらせず、どの時間帯に何が重なるかまで具体化します。

  • 終業前に入院対応が重なり、記録に着手できない。
  • 日中の担当業務が集中し、必要な記録時間が取れない。
  • 引き継ぎや会議が毎回予定時刻を超える。
  • 分からない業務の確認先が不在で、作業が止まる。

そのうえで、担当の調整、応援、記録の重複の見直し、引き継ぎの分担、勤務内に学ぶ時間を確保できないか相談します。自分で優先順位を見直す工夫と、職場側の体制整備の両方が必要です。

同時に、休憩が実際に取れているか、勤務終了から次の始業までに十分な休息時間があるかも確認しましょう。「勤務間インターバル」は勤務と勤務の間の休息で、勤務中の休憩とは異なります。厚生労働省・労働時間等の設定の改善

残業の少ない求人を探すときの質問

「クリニックだから残業なし」「派遣なら必ず定時」とは判断できません。診療の延長、急な対応、記録や移動など、職場ごとの業務を確認します。

質問確かめたいこと
配属予定部署の直近の残業は?法人全体の平均ではなく、働く部署の状況
夜勤明けに残る業務は?日勤だけでは見えない勤務延長
勤務前の情報収集はいつ行う?打刻前の業務が常態化していないか
残業の申請・承認はどうする?実際に働いた時間を申請できる仕組み
欠勤や急な入院にどう対応する?忙しいときの応援や担当調整
会議・研修は何時に行う?求人票の勤務時間外にある負担

回答が曖昧な点は、応募先や紹介担当者へ具体的に聞き直してください。「残業が少ない」の意味を、例えば「保育園への迎えに間に合う時刻に退勤したい」と生活の条件まで伝えることも大切です。

勤務時間に加えて、年間休日・有給・夜勤明けの確認点も合わせて比較しましょう。

固定残業代がある求人は、内訳を確認する

固定残業代を含む給与では、基本給、固定残業代の金額と対象時間、超過した場合の追加支給を確認します。「固定残業20時間分」という表記は、実際の残業が毎月20時間という意味ではありません。

ハローワーク・賃金と固定残業代の記載方法にも、内訳と超過分の支給の明示について説明があります。

比較するときは、総支給額だけでなく、残業を除いた条件と実際の勤務時間を並べます。分かりにくい内訳は、書面で説明してもらいましょう。

申請できない・改善されないときの相談先

残業代や労働時間の扱いが不明な場合は、人事・労務担当、労働組合、労働基準監督署などに相談できます。どこへ相談すればよいか迷ったら、総合労働相談コーナーで状況を説明してください。個別の請求や紛争への対応は、必要に応じて専門家に相談しましょう。

改善の相談をしても見通しが立たず、別の職場を比較したい場合は、看護roo!転職とレバウェル看護の比較・選び方を参考にできます。希望する勤務時間や地域、雇用形態が紹介対象かを確認し、求人紹介を受けた後も労働条件を自分で確かめることが大切です。

よくある質問

新人や転職直後なら、残業は仕方ないですか?

慣れるまで支援が必要なことはありますが、働いた時間の記録や申請を諦める理由にはなりません。教育担当者に、勤務内で練習・確認できる時間や担当調整を相談してください。

残業が少ない職場では、看護師として成長できませんか?

成長の機会は勤務時間の長さだけで決まりません。経験できる業務、教育担当、相談体制、振り返りの時間を確認します。長く残ることを、そのまま学習の質の高さと結び付ける必要はありません。

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