
看護師として転職を考えている方にとって、職務経歴書は自分の経験やスキルを伝える重要なツールです。しかし、効果的なアピール方法がわからず、戸惑う方も多くいます。本記事では、看護師の職務経歴書の書き方について、基礎知識や実践的なポイントを詳しく解説します。
記事を読めば、自信を持って職務経歴書を作成し、転職活動を有利に進めることが可能です。看護師の職務経歴書では、経験や資格、スキルの具体的な記載が重要です。志望先の求める人材像に合わせた自己PRは、採用担当者へ強い印象を残せるため、ぜひ参考にしてください。
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看護師の職務経歴書に関する基礎知識

看護師の職務経歴書についての基礎知識を以下の項目に沿って解説します。
- 職務経歴書と履歴書の違い
- 看護師に職務経歴書が必要な理由
- 採用担当者が注目するポイント
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書と履歴書の違いは、以下のとおりです。
職務経歴書 | 履歴書 | |
記載内容 | 職歴や業務内容 | 個人情報や学歴 |
形式 | 自由形式 | 定型フォーマット |
ページ数 | 2~3枚 | 1~2枚 |
作成方法 | パソコン作成 | 手書きまたはパソコン作成 |
使用時期 | 転職や中途採用時 | 新卒・中途問わず、就職・転職活動全般 |
履歴書は応募者の基本情報を伝える役割があるのに対し、職務経歴書は応募者のスキルや実績をアピールするための書類です。職務経歴書は履歴書の補足資料として機能するため、両方を用意して自分の強みをより効果的にアピールしましょう。
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看護師に職務経歴書が必要な理由

看護師の経験は、勤務先の種類や診療科、取得資格、研修受講歴によって大きく異なります。職務経歴書を作成すると、自身の経験やスキルの詳細なアピールに役立ちます。志望動機や将来のキャリアプランについても、項目を設けると明確に表現することが可能です。
職務経歴書では、チーム医療での役割や貢献、患者対応、医療安全への取り組みを記載し、自身の価値をアピールできます。転職活動を成功させるため、経験や実績を具体的に記載し、自身の強みが伝わる職務経歴書を作成しましょう。
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採用担当者が注目するポイント
経験やスキルは、応募者の実力を示す重要な指標です。採用担当者が重視するのは、以下の項目です。
- 看護経験年数や内容
- 専門的な資格や技能
- 患者対応の実績
- 協調性
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 医療安全への意識
- 継続的な学習意欲
志望動機と経歴に一貫性があるかも確認しましょう。なぜ選んだのか、自身の経験がどう活かせるかを明確に示すことが大切です。
【項目別】看護師の職務経歴書の書き方

看護師の職務経歴書の書き方について、以下の項目別に解説します。
- タイトル・日付・氏名
- 経歴要約
- 職務経歴詳細
- 保有資格
- 自己PR
タイトル・日付・氏名
タイトルは「職務経歴書」と大きく明記してください。書類の内容がひと目でわかります。最新の情報であると示すために、作成した日付を右上に記入しましょう。氏名は読みやすくわかりやすいフォントで、目立つように大きめに記載します。住所や電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報も、正確に記載しましょう。
経歴要約
経歴要約では、看護師としての経験を簡潔にまとめます。経験年数や従事した分野、勤務した医療機関の種類を含めましょう。主な担当業務や役割、取得した資格、特殊なスキルがあれば積極的に伝えましょう。専門性をアピールできます。
患者ケアや医療チームでの貢献、管理職経験、リーダーシップの実績があれば、具体的に記載してください。経歴要約は、採用担当者があなたのキャリアの全体像を把握するために重要な部分です。簡潔に、かつ強みが伝わる内容にしましょう。
職務経歴詳細

職務経歴詳細では、過去の経験や実績を時系列で記載します。新たな環境でも即戦力として活躍できることを採用担当者に伝えるために、過去に培った経験やスキルを漏れなく記載しましょう。記載するべき項目は、以下のとおりです。
- 勤務先の名称や勤務期間
- 患者数や病床数などの規模
- 所属していた部署(病棟、外来など)
- 担当していた主な業務内容
- 使用していた医療機器や特殊な技術
- 特別な治療や看護の経験
- チーム医療における役割
- 業務改善の取り組みや委員会活動
- リーダーやプリセプターの経験
- マネジメント経験
- 研修や講習会への参加実績
- 研究や研究発表の実績
職務経歴詳細では、箇条書きを活用しましょう。簡潔で具体的な記述となるため、採用担当者があなたの経歴を理解しやすくなります。
保有資格
看護師免許以外にも医療や介護に関する資格を保有していれば、明示しましょう。代表的な資格の例は、以下のとおりです。
- 専門看護師や認定看護師
- 保健師や助産師
- 救急救命士
- ケアマネジャー
- 医療事務資格
- BLS・ACLS資格
医療と別の分野でも、語学系の資格は強みになるため、記載しましょう。外国人患者の増加に伴い、医療現場でも外国語が求められる場面が増えています。英語検定やTOEIC、医療通訳士などの資格を保有していれば、外国人患者への対応や国際的な医療現場で重宝されます。
保有資格は、自身の強みや専門性をわかりやすく示す重要な要素です。キャリアの可能性を広げるため、職務経歴書に忘れず記載しましょう。
自己PR

応募先の病院や施設が求める人物像に合わせた自己PRを作成しましょう。具体的なエピソードを交えて自身のスキルや経験を伝えると、伝わりやすくなります。自身のスキルを活かして、転職先でどのように貢献できるかを述べ、意欲を示しましょう。
【ケース別】看護師の職務経歴書の書き方

転職先によって求められるスキルが異なるため、転職先に応じてアピールする内容を変える必要があります。転職先のケース別に、看護師の職務経歴書の書き方を解説します。
病院看護師から訪問看護師への転職
病院と訪問看護の役割の違いを理解し、自身の経験を活かす方法を明確に示しましょう。看護の基本は共通のため、病院でも訪問看護でも必要なスキルは根本的に変わりません。しかし、利用者の生活に深く関わる訪問看護師には、より人間性や生活支援能力が求められます。
地域医療や在宅ケアへの関心を示すため、資格の取得や研修の受講も検討しましょう。多職種連携の経験や意欲をアピールすると、訪問看護師としての適性をより強くアピールできます。
美容クリニックへの転職
美容クリニックでは、患者さんの美容に関する悩みに寄り添い、サポートする役割が求められます。看護師としての医療知識や技術だけでなく、接客スキルやカウンセリング力が重要です。職務経歴書でアピールする項目は、以下のとおりです。
- 美容医療の知識・経験
- 接客スキル・患者対応
- 美容への興味・関心
- 美容医療機器の扱い
美容業界のトレンドや最新技術への関心を示すのも効果的です。職務経歴書を通じて、自身の強みと美容クリニックでの勤務に対する意欲を伝えましょう。
看護師が職務経歴書を書くときのポイント

職務経歴書を作成する際に重要な以下のポイントについて解説します。
- パソコンで書く
- 読みやすい構成にする
- 履歴書と職務経歴書に一貫性を持たせる
パソコンで書く
見やすく整理された職務経歴書を作成するため、パソコンを活用しましょう。Microsoft WordやGoogleドキュメントなどの使用が一般的です。読みやすさを重視して、フォントやサイズを設定します。余白を適切に設定し、全体のバランスを整えます。
箇条書きや表を使った情報の整理も効果的です。パソコンの操作に不慣れだと時間を要しますが、修正や編集が容易な点は大きなメリットです。PDFでの提出を求められることも多いため、パソコンで作成できるように練習しましょう。
Web上では職務経歴書のフリーテンプレートが配布されているため、ぜひ活用してください。
読みやすい構成にする

経験やスキルを採用担当者にアピールするためには、職務経歴書を読んでもらうことが重要です。読みやすい構成にするために、以下の工夫を取り入れましょう。
- 見出しを活用して内容を整理する
- 箇条書きやリストを使って要点を簡潔に示す
- 段落を短くして読みやすくする
- 空白や余白を適度に設ける
- フォントサイズや太字を使い重要な情報を強調する
複数の方法を組み合わせると、採用担当者が必要な情報を素早く見つけられます。表やグラフを活用すると、職務経歴書の内容を視覚的に伝えやすくなります。ただし、装飾を凝りすぎると逆効果になるため注意が必要です。職務経歴書は読みやすさを重視した構成を心がけましょう。
履歴書と職務経歴書に一貫性を持たせる
履歴書と職務経歴書の内容に矛盾がないか、慎重に確認しましょう。職歴や学歴の期間、資格情報は正確に記載し、両方の書類の内容を一致させてください。内容の整合性を保つことも重要です。職歴の内容や自己PRのポイントなど、書かれている情報に矛盾がないように気をつけましょう。
使用する言葉や文章のスタイルを統一し、一貫した印象を与えることも大切です。履歴書と職務経歴書の内容を慎重に確認し、整合性を持たせると、信頼性の高い応募書類になります。誠実さや慎重さのアピールにもなるため、書類は一貫性を持たせることを意識してください。
看護師が職務経歴書を書くときの注意点

職務経歴書を書く際の注意点について、以下の項目に沿って解説します。
- 単なる職務経歴の列挙を避ける
- 志望先を調べてから職務経歴書を書く
単なる職務経歴の列挙を避ける
職務経歴書は、自身の強みや実績を効果的にアピールする重要なツールです。単に経歴を並べただけでは、自分の魅力を十分に伝えきれません。看護師として培った経験やスキルを、数字やデータを用いたりエピソードを交えたりして示しましょう。自己成長や学びの過程を示すと、意欲的な姿勢をアピールできます。
将来のキャリアプランと現在の経歴の関連性を示せば、志望動機の裏付けにもなります。自身の強みや特徴が伝わるよう工夫し、魅力的な職務経歴書を作成しましょう。
志望先を調べてから職務経歴書を書く
志望先の情報を十分に把握すると、相手が求める人材像に合わせた、より効果的な職務経歴書を作成できます。情報把握のため、事前に以下の点を確認しましょう。
- 病院や施設の理念や方針
- 必要とされるスキルや経験
- 特徴(規模、診療科目など)
- 看護ケアの方針
- 職場環境や福利厚生
- 教育・研修制度
- 地域における役割や貢献度
事前に志望先を調べてから職務経歴書を記載すると熱意が伝わり、採用担当者の印象に残りやすくなります。
看護師の職務経歴書の書き方に関するよくある質問

看護師の職務経歴書に関するよくある質問に回答します。
- 転職回数が多い場合の書き方は?
- 職務経歴書に退職理由を書く必要はある?
転職回数が多い場合の書き方は?
転職回数が多い場合は、職務経歴書や面接で転職理由を簡潔に説明し、前向きな姿勢を示すことが大切です。採用担当者に誠実さと意欲を伝えましょう。キャリアの一貫性や転職を通した成長を強調することが重要です。各職場で得た経験やスキルを具体的に記載し、長期的なキャリア目標と今回の転職との関連性を示しましょう。
転職を通してスキルアップしたこともアピールできます。最新の2〜3つの職歴に焦点を当てたり、短期間の勤務を1つにまとめたりするのも良い方法です。職歴間に空白期間がある場合は、行っていた自己啓発活動を記載しましょう。志望動機と自身のキャリアプランを明確に示すと、長期的に働きたい意思を伝えられます。
職務経歴書に退職理由を書く必要はある?
退職理由を職務経歴書に書く必要はありません。しかし、面接で質問される可能性が高いため、事前の準備が大切です。退職理由を伝える際はポジティブな表現を心がけ、以下の点に注意しましょう。
- 前職や関係者への批判を避ける
- キャリア関連の理由を強調する
- 簡潔に説明する
退職理由は面接でよく聞かれる重要な質問の一つであるため、事前に十分に準備しましょう。
» 看護師の退職に多い理由は?スムーズに伝えるコツも解説!
まとめ

看護師の職務経歴書を適切に作成すると、転職活動で経験やスキルを効果的にアピールできます。職務経歴書には経歴要約や職務詳細、スキル、資格などの情報を含めます。読みやすい構成と一貫性のある内容を心がけ、志望先の求める人材像に合わせて内容を調整しましょう。自身の経験を活かせるポイントの強調が重要です。
修正や編集がしやすいため、職務経歴書はパソコンで作成しましょう。単なる経歴の列挙は避け、キャリアの一貫性を示すことが重要です。退職理由は簡潔に記載するか、口頭で説明できるようにしてください。採用担当者の印象に残る職務経歴書を作成し、転職を成功させましょう。