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「辞めたいと伝えたら迷惑をかける」「納得される理由を作らないと辞められない」。退職を考えていても、そんな思いで話を切り出せないことがあります。
人手不足や職場の体制は、一人で背負う問題ではありません。自分に合わない働き方を続けるかどうかを、周囲への申し訳なさだけで決めないことが大切です。引き継ぎなどの実務と、自分が今後どう働きたいかを分けて整理しましょう。
この記事では、退職理由を作って取り繕う方法ではなく、事実と希望を整理し、上司や転職面接で伝える方法を紹介します。退職手続きは契約や状況で異なるため、一般的な確認点と、個別に相談すべき場面も分けて説明します。
退職理由は、誰に何のために伝えるかを分ける
現在の上司に伝えることと、応募先の面接で伝えることは、目的が異なります。事実を変えずに、必要な情報の範囲を調整しましょう。
| 伝える相手 | 中心にすること |
|---|---|
| 現在の上司・人事 | 退職の意思、希望日、手続き・引き継ぎの確認 |
| 転職先の面接 | 働き方を変えたい理由、次に希望する条件、応募先との接点 |
| 同僚 | 共有が必要な時期と、業務の引き継ぎ。私生活の詳細を全員に話す必要はない |
まだ迷っているなら勤務調整や異動を「相談したい」のか、退職を決めて意思を「伝えたい」のかも分けます。結論が決まっているのに曖昧な相談だけで終わると、手続きが進んだのか分からなくなることがあります。
まず、自分の理由を短いメモにする

人間関係、勤務時間、収入、家庭との両立、学びたい分野など、理由は一つとは限りません。すべてを詳しく説明する前に、続けることが難しい条件と、今後必要なことを整理します。
| 困っていること | 整理する内容 |
|---|---|
| 人間関係や相談のしづらさ | 実際に起きたこと、仕事への影響、今後必要な相談体制 |
| 夜勤・時間外勤務の負担 | 続けにくい勤務条件と、働ける曜日・時間の希望 |
| 育児・介護・通勤との両立 | 両立に必要な条件と、変更が必要な点 |
| 学びたい看護とのずれ | 経験したい仕事、配属や教育で確認したいこと |
| 健康上の事情 | 就業継続についての相談と、必要な休息・勤務調整 |
体調が悪く勤務が難しいときは、「次の仕事が決まるまで我慢しなければ」と考えず、医療機関や職場の相談先へ連絡してください。ハラスメントが疑われる場合も、無理に当事者へ直接説明することだけを解決策にしないでください。
仕事の整理から始めたい方は、自己分析で経験と希望をまとめる方法も参考になります。
上司へ伝える例文は、意思と希望日を中心にする
以下は説明のための架空の表現例です。実際にない転居、介護、進学、診断などを付け加える必要はありません。退職が成立する日付を保証する文面でもありません。
働き方を見直したい場合
働き方を見直すため、退職する意思をお伝えしたく、お時間をいただきました。○月○日を希望しています。今後の手続きと、引き継ぎの進め方を確認させてください。
理由をさらに聞かれた場合は、続けるのが難しい勤務条件など、事実として説明できる範囲を補います。相手を納得させるために、次々と新しい事情を足す必要はありません。
家庭との両立など、詳しい事情を広げたくない場合
家庭生活と仕事の両立を見直す必要があり、退職することを決めました。詳しい事情は差し控えたいのですが、退職の意思は変わりません。希望日は○月○日です。必要な手続きを教えてください。
家庭の事情が実際にある場合の例です。詳しく話さないことと、存在しない事情を作ることは別です。退職の意思、希望日、必要な手続きの話へ戻して進めましょう。
体調について相談が必要な場合
体調の面から、現在の勤務を続けることが難しい状況です。今後の勤務と退職について確認したく、相談の時間をお願いしました。必要な手続きや、提出書類について教えてください。
診断書などは実際の診察と、必要な手続きに応じて確認するものです。「辞めやすくする証拠」として用意するのではなく、休職や勤務調整を含め、自分の状況に合う対応を相談してください。
退職はいつ伝える?契約と就業規則を確認する
「看護師は必ず2〜3か月前」「誰でも2週間前に言えばよい」と一律には決められません。まず雇用契約書などで、契約期間の定めがあるかを確かめ、就業規則の手続きも読みます。
厚生労働省は、期間の定めのない労働契約について、原則として退職の申し入れから2週間で契約が終了することを説明しています。有期契約の途中退職は別の扱いで、やむを得ない事由や法令上の例外などを確認する必要があります。厚生労働省:退職、解雇、雇止めなど
相手との合意によって日程を決める場合もあります。就業規則の期限と法的な扱い、契約の種類、申出の内容によって判断が必要になるため、食い違いや引き止めがある場合は、契約書ややり取りの記録を持って労働相談窓口へ相談しましょう。公務員として勤務している場合などは、適用される規程と手続きの個別確認が必要です。
引き継ぎや勤務表を見ながら早めに調整することはできますが、「後任が決まるまで」「全員が納得するまで」を自分で無期限に約束しないようにしてください。
引き止められたときは、提案と手続きを分けて確認する

勤務調整や異動の提案を受け、残ることを検討したい場合は、何がいつ変わるのかを具体的に確認します。「負担を減らす」という説明だけでなく、勤務回数、担当業務、実施時期、確認する相手を整理してください。
退職の意思が変わらない場合は、そのことを繰り返し伝え、退職日と手続きの確認を進めます。面談の日時、伝えた内容、提出した書類の控えを残すと、経過を相談しやすくなります。
「受け取らない」「損害を請求する」などと言われて困った場合は、その場で不明な合意書に署名せず、内容を確認して相談してください。総合労働相談コーナーは職場のトラブルの相談先です。具体的な請求や権利についての法的判断が必要な場合は、弁護士などへの相談も検討しましょう。
上司が問題の当事者で話すことが難しい場合は、人事や別の管理者、院外の相談先を選ぶ方法もあります。看護師の人間関係の悩みと相談の整理も参考にしてください。
転職面接では、次に必要な条件まで伝える
面接で退職理由を説明するときは、職場への評価を長く話すより、何が続けにくかったか、次の職場では何を確認したいかを短く伝えます。
これまでの勤務では、生活との両立に必要な時間を確保することが難しくなりました。今後は勤務時間と業務内容を確認し、これまでの看護経験を活かして継続して働きたいと考えています。
上の文は架空の例です。人間関係を理由に辞めたのに、実際には考えていない進学を理由にするなど、別の話へ変える必要はありません。必要な説明を簡潔にし、希望する教育や相談体制とつなげましょう。
面接で話す内容は、志望動機の書き方と面接の質問・逆質問の準備も合わせて整理してください。
退職日が決まったら、最後に確認すること
- 退職日、最終出勤日、有給休暇の予定を区別する
- 引き継ぐ業務と、担当者・期限を確認する
- 貸与品の返却、必要な証明書や離職票などの手続きを確認する
- 最終給与や退職金がある場合の規程・支払い予定を確認する
- 次の勤務先への入職日と、空く期間の保険・年金などの手続きを確認する
- 患者情報や院内資料を個人の端末・持ち物に残さない
手続きの対象や時期は働き方によって異なります。分からない点は人事や各制度の窓口へ確認し、思い込みで予定を立てないようにしましょう。
看護師として次の職場を探す準備ができ、求人紹介や勤務条件の確認を相談したい方は、看護roo!転職とレバウェル看護の比較・選び方を参考にしてください。転職支援の相談と、現在の職場との退職トラブルについての法律相談は、それぞれの窓口で進めます。