
看護師の転職で「履歴書の書き方がわからない」と悩む方は多くいます。資格や経験の記載に失敗して、書類選考に落ちるような事態は避けたいものです。この記事では、看護師の履歴書の基本的な書き方から、採用担当者の心に響く志望動機の作り方までを詳しく解説します。
記事を読めば、看護師としての経験や実績を生かした魅力的な履歴書を作成でき、希望の職場に一歩近づけます。履歴書作成のポイントを押さえて、転職活動を成功させましょう。
看護師の履歴書を書くための準備

看護師の履歴書を書くために必要な準備は以下のようになります。
- 必要な道具をそろえる
- 履歴書のフォーマットを選ぶ
- 証明写真を撮影する
必要な道具をそろえる
履歴書作成に必要な道具は以下のとおりです。
- A4サイズの履歴書用紙
- 黒のボールペン
- 下書き用の用紙
- 封筒や切手
- 認印
履歴書用紙はJIS規格のA4サイズを選びましょう。文具店やコンビニエンスストアで購入できます。黒のボールペンは0.5mm程度の細めの字幅がおすすめです。万年筆やサインペンは避け、一般的なボールペンを使用してください。
履歴書のフォーマットを選ぶ

履歴書のフォーマットは、志望動機や自己PR欄のスペースが大きめの、転職者向けのものを選びましょう。アルバイトやパート用の履歴書は、記入スペースが限られているため適しません。JIS規格の一般的な履歴書か、看護師専用の履歴書フォーマットがおすすめです。志望先が指定するフォーマットがある場合は従います。
指定がない場合は、記入しやすく読みやすいフォーマットを選んでください。自己PRや志望動機を十分にアピールできるよう、記入欄の大きさにも注目しましょう。
証明写真を撮影する
証明写真は3か月以内に撮影したものを使用してください。写真館やスタジオで撮影すると、より好印象の写真が撮れます。服装は白のブラウスにジャケットを着用し、髪型は清潔感のある印象を心がけましょう。化粧は薄めにし、アクセサリーは控えます。スナップ写真や私服での撮影は避けてください。
写真の裏面には必ず氏名を記入し、のりやテープでしっかりと貼り付けます。履歴書は採用担当者への第一印象を左右する重要な書類です。写真選びにも十分な時間をかけましょう。
【項目別】看護師の履歴書の書き方

看護師の履歴書で記入が必要な項目は以下のとおりです。
- 日付・氏名・住所・電話番号
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 自己PR
- 志望動機
- 本人希望欄
日付・氏名・住所・電話番号
履歴書の日付は、提出予定日か面接日の1〜3日前の日付を記入しましょう。郵送の場合は投函日を書きます。氏名は楷書体で丁寧に記入し、フリガナも忘れずに書きます。住所は都道府県名から省略せずに記載し、マンション名や部屋番号まで正確に書きましょう。電話番号は携帯電話を優先して記入します。
固定電話がある場合は併記してください。メールアドレスの記入欄がある場合は、必ずパソコンのメールアドレスを記入しましょう。携帯電話のメールアドレスは、受信拒否設定により連絡が取れなくなる可能性があります。
学歴・職歴
学歴は高校入学以降を記入します。看護学校や大学の看護学部は正式名称で記載しましょう。職歴は最新の職場から順に記入し、病院名や配属部署、職位まで明確に書きます。看護師としての経歴以外の職歴も漏らさず記載してください。勤務先が病院の場合は「入職・退職」または「勤務・退職」と表記します。
看護師の現場を離れていた期間がある場合は、「育児休業」「介護休業」など、理由を簡潔に記載しましょう。最終行には右端に「以上」と記入してください。
免許・資格

履歴書で有利になる資格は以下のとおりです。
- 看護師免許
- 准看護師免許
- 保健師免許
- 助産師免許
- 認定看護師資格
免許や資格は取得順に記載します。看護師免許は「令和5年4月 看護師免許取得」のように、年月と正式名称で記入しましょう。認定看護師や専門看護師の資格がある場合は「認定看護師(救急看護)」のように分野も併記してください。他にも、仕事に関連する資格は積極的に記載しましょう。
自己PR
自己PRは看護師としての強みを具体的に記載してください。救急外来での迅速な対応力、長期入院患者への精神的ケア、新人指導の実績など、具体的なエピソードを交えて説明します。チーム医療での連携や患者さんとのコミュニケーション力も重要なアピールポイントです。
医療安全や感染管理への取り組み、院内改善活動の経験なども積極的に記載しましょう。数値化できる実績があれば、具体的な数字を示すと説得力が増します。「入院患者の満足度調査で部署内1位」「新人指導を5名担当」などが挙げられます。
» 印象に残る!看護師の自己PRの書き方を解説
志望動機

志望動機を書く際のポイントは以下のとおりです。
- 病院の理念や特色に触れる
- 自身の経験との関連性を示す
- 具体的な貢献方法を説明する
- 将来のビジョンを描く
- 熱意と意欲を伝える
志望動機は志望先の特徴や理念に触れながら、自身の経験や看護観との共通点を示しましょう。急性期病院であれば救急対応の実績を、回復期病院であれば患者さんに寄り添った看護経験を強調します。病院見学での気づきや、職場の雰囲気の良さなど、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。
本人希望欄
本人希望欄には、勤務形態や配属希望、通勤時間など、譲れない条件のみを記載しましょう。育児や介護との両立が必要な場合は、希望する勤務時間帯を明記してください。夜勤の可否や希望する診療科がある場合も、はっきりと記載します。給与や待遇に関する希望は、面接時に伝えましょう。
希望がない場合は「貴院の規定に従います」と記入します。将来的な資格取得や、専門性向上に向けた希望の記載も一案です。病院の教育制度や研修制度を活用したい意欲が伝われば、前向きな印象を与えられます。
看護師の履歴書の書き方の注意点

履歴書作成時の重要な注意点は以下のとおりです。
- 誤字脱字を避ける
- 経歴を偽らない
- 志望動機は具体的に書く
- 履歴書のコピーを保管する
誤字脱字を避ける
誤字脱字は採用担当者に不信感を与えかねません。病院名や診療科名、医療用語に注意が必要です。下書きの段階で医療辞典や病院のウェブサイトで正しい表記を確認しましょう。漢字の書き間違いを防ぐため、パソコンで入力して確認してからの清書も効果的な方法です。
書き終えたら時間を置いて読み返し、誤字脱字がないかチェックしましょう。第三者に確認を依頼すると安心です。修正液や修正テープの使用は避け、書き間違えた場合は新しい用紙に書き直してください。清書の際は、丁寧に書きましょう。
経歴を偽らない

経歴を正直に書くことのメリットは以下のとおりです。
- 面接で自信をもって話せる
- 入職後も安心して働ける
- 信頼関係を築きやすくなる
- 長期的なキャリアを描ける
- 実力を正当に評価される
経歴詐称は発覚した時点で即刻退職になるケースもあります。看護師として築いてきたキャリアにも傷がつき、再就職が困難になる可能性も否定できません。正直に経歴を記載し、自分の実力と経験に見合った職場を見つければ、長期的なキャリアを形成できます。
志望動機は具体的に書く
「患者さんの役に立ちたい」「看護の質を高めたい」といった抽象的な志望動機は避けましょう。病院の理念や特色を踏まえ、自身の経験や看護観と結びつけて具体的に説明します。救急病院を志望する場合は、救急外来での経験や急性期看護の実績、チーム医療での役割などを具体的に記載します。
回復期病院であれば、リハビリテーション看護の経験や患者さんの自立支援に関する取り組みを強調しましょう。志望動機は面接でも必ず質問されます。履歴書の内容を深く掘り下げて説明できるよう、具体的なエピソードを準備しましょう。
地域医療への貢献や専門性の向上など、将来のビジョンも含めると説得力が増します。
» 看護師の志望動機の書き方をケース別・施設別に解説!
履歴書のコピーを保管する
履歴書は複数の病院に応募する可能性を考え、必ずコピーを保管しましょう。スキャンしてデジタルデータとして保存すると安心です。保管した履歴書は面接準備の際の参考資料として活用できます。質問されやすい項目を予測し、一貫性のある説明するためには事前準備が欠かせません。
転職活動中は記入内容を定期的に見直し、より良い表現に改善しましょう。病院見学や面接を重ねる中で気づいた点を反映させ、履歴書の完成度を高めます。将来の転職時にも参考になるため、提出した履歴書は必ず控えを残してください。
» 転職の成功率を上げる!効果的な面接対策を解説
看護師の履歴書の提出方法とマナー

履歴書の提出方法と注意点は以下のとおりです。
- 郵送
- 手渡し
- メール
郵送
郵送で履歴書を提出する場合は、A4サイズの角形2号封筒を使用しましょう。封筒の表面には宛名を丁寧に記入し、裏面には差出人の住所と氏名を書きます。「履歴書在中」と赤字で記載し、書留や簡易書留など追跡可能な方法で送りましょう。提出期限に余裕をもって投函し、不測の事態に備えてください。
送付状を添える場合は「拝啓」で始まり「敬具」で結ぶビジネス文書の形式で作成します。封筒に折り目が付かないよう、クリアファイルなどでの補強も効果的です。配達記録は必ず保管し、到着確認の電話を入れましょう。
手渡し

手渡しで履歴書を提出する際の注意点は以下のとおりです。
- 清潔感のある服装で訪問する
- 訪問時間を事前に確認する
- 両手で丁寧に書類を渡す
- 担当者の名前を確認する
- 挨拶と感謝の言葉を忘れずにする
面接時に履歴書を提出する場合でも、クリアファイルに入れて丁寧に扱います。面接官に手渡す際は、履歴書をファイルから取り出して両手で渡しましょう。質問には簡潔に答え、退室時まで姿勢よく振る舞うことが大切です。訪問時は時間に余裕をもって行動し、慌ただしい印象を与えないよう注意してください。
メール
メールでの履歴書提出は、事前に受付可能か確認しましょう。PDFファイルで送付する場合は、ファイル名を「履歴書_氏名」など分かりやすい形式にします。メールの件名は「履歴書の送付」とし、本文には簡潔に添付ファイルの内容を説明します。送信前にウイルスチェックを行い、添付忘れや誤送信に注意してください。
履歴書のデータは高画質でスキャンし、文字が読みづらくならないよう注意します。送信後は受信確認の電話を入れましょう。データの容量が大きい場合は、分割して送信するか、オンラインストレージサービスの利用を検討してください。
看護師の履歴書の書き方に関するよくある質問

履歴書作成に関する疑問点は以下のとおりです。
- 手書きとパソコンどちらがいい?
- 履歴書に使うペンの種類は?
- 履歴書に空欄を作ってもいい?
手書きとパソコンどちらがいい?
基本的に手書きの履歴書が好まれます。丁寧な文字で書くと、誠意や熱意が伝わりやすいためです。パソコンで作成する場合は、フォントの種類やサイズに気を配り、読みやすさを重視しましょう。志望先の指定がある場合は、指示に従います。手書きかパソコンかを迷った場合は、病院の人事担当に確認すると確実です。
職務経歴書はパソコン作成が一般的です。パソコン作成の場合は、内容の充実度と読みやすさを重視してください。履歴書は手書きにして、職務経歴書はパソコンで作成するなどの使い分けも可能です。
履歴書に使うペンの種類は?

履歴書に使用するペンの注意点は以下のとおりです。
- 事前に紙質とインクの相性を確認する
- 試し書きで書き味を確かめる
- 予備のペンを準備する
- 同じペンで最後まで記入する
- インクの濃さを確認する
履歴書作成には黒の油性ボールペンを使用します。字幅は0.5〜0.7mm程度が適しています。万年筆やサインペン、水性ペン、消せるボールペン、シャープペンシルは使用しないでください。履歴書用紙に合わせて字幅を選び、下書き用紙で書き心地を確かめてから本番に臨みましょう。
履歴書に空欄を作ってもいい?
履歴書の空欄は極力避けましょう。空欄があると「記入忘れ」や「アピールポイントがない」という印象を与えかねません。「学歴」「職歴」「免許・資格」は、すべての欄を埋める必要があります。該当する内容がない場合は「なし」と記入します。自己PRや志望動機は、記入欄の8割以上を埋めましょう。
本人希望欄など、希望がない項目は「貴院の規定に従います」と記入します。趣味や特技の欄がある場合は、最低1つは記入してください。面接で話題になったときに、内容を詳しく説明できる趣味や特技を書きましょう。記入内容が少な過ぎると、やる気のなさが伝わってしまう可能性があります。
まとめ

看護師の履歴書は、自身の経験とスキルを効果的にアピールする重要なツールです。志望動機や自己PRには具体的なエピソードを交え、病院の特徴を踏まえた内容を心がけましょう。誤字脱字のチェックや提出方法のマナーにも気を配り、採用担当者に好印象を与える履歴書作成を目指します。
履歴書は転職活動の第一関門です。丁寧な準備と作成を心がけ、希望の職場への第一歩を踏み出しましょう。
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