看護師の離職率は?最新調査の数字と、転職先を見るときの注意点

看護師の離職率は?最新調査の数字と、転職先を見るときの注意点

「職員が次々と辞めていて不安」「転職先の離職率は、どれくらいなら安心なのだろう」。離職率は職場を知る手掛かりですが、数字だけで働きやすさを判断できるものではありません。

対象が全職員なのか中途採用者なのか、いつの期間なのか、定年退職を含むのかによって意味が変わります。また、職場を退職したことと、看護の仕事そのものを辞めたことは別です。

この記事では2026年3月公表の日本看護協会の調査をもとに数字を確認し、求人・見学・面接で使える確認項目を整理します。

最新調査では、正規雇用の看護職員の離職率は11.0%

日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」で示された、2024年度の離職率は次のとおりです。調査名の年、数字の対象年度、公表時期は区別して読みましょう。

対象2024年度の離職率
正規雇用看護職員11.0%
新卒採用者8.4%
既卒採用者16.1%

ここでの「看護職員」は、保健師・助産師・看護師・准看護師です。病院の調査であり、クリニックや訪問看護などを含むすべての看護師の離職率ではありません。出典:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」結果・6ページ

正規雇用看護職員の離職率は、年度内の総退職者数を年度の平均職員数で割った割合で、定年退職も含みます。新卒・既卒採用者は、その年度に採用された人のうち年度内に退職した人の割合です。

この違いがあるため、全員が入職から丸一年追跡された割合と読み替えることはできません。また、数字だけから個々の退職理由や転職後の行き先は分かりません。

離職率を見るときは、対象と期間をそろえる

病院から離職率を教えてもらったら、数字に加えて計算の条件を確認しましょう。比較する病院で対象が違えば、単純な順位づけはできません。

確認する点質問例
対象となる職員看護職全体ですか。常勤・非常勤や中途採用者を分けた数字はありますか
対象期間いつの年度の数字ですか。直近数年ではどう変わっていますか
退職者の範囲定年退職は含まれますか。異動との区別はどうしていますか
配属先の状況病院全体だけでなく、希望部署の欠員や補充の状況を教えてください
改善の取組み離職につながる課題について、何を見直していますか

採用人数が少ない集団では、一人の退職でも割合が大きく変わります。割合と人数の両方が分かると、数字を過大に受け止めることを避けられます。

職員個人の退職理由など、プライバシーに関わる情報まで聞き出す必要はありません。組織として把握している課題や、現在の支援体制を確認しましょう。

「低ければ安心」「高ければ悪い職場」とは言い切れない

離職率には、定年、家族の事情、進学、転職、職場への不満など、さまざまな背景があり得ます。低い数字だけで満足度が高いと断定したり、高い数字だけで職場を問題視したりすることはできません。

病院の規模や地域の傾向があっても、その傾向を個別の職場の原因や評価にそのまま当てはめないことが大切です。「小さい病院だから人間関係が悪い」「大病院なら教育が十分」といった判断では、実際の部署の状況を見落とします。

求人が長期間出ている場合も、欠員補充だけでなく増員などの可能性があります。募集の理由と、採用後にどの業務を担うのかを確認してください。

辞めたい理由を、職場で確認できる条件に置き換える

仕事の希望や確認したい条件をノートで整理する様子

今の職場に悩みがある人は、離職率の比較と合わせて、自分が何を変えたいかを整理しましょう。ほかの人が辞めた理由と、自分がつらい理由が同じとは限りません。

  • 夜勤や残業が負担:回数、時間、勤務間の休息、応援体制を確認する
  • 相談できず不安:教育担当者、日々の相談先、独り立ちの判断方法を確認する
  • 休暇が取れない:取得実績だけでなく、休むときの業務分担を確認する
  • 評価や役割が曖昧:担当範囲、評価基準、給与への反映方法を確認する
  • 家庭と両立しにくい:勤務時間の相談、制度の対象条件、実際の利用方法を確認する

記録や会議も仕事の一部です。残業について質問するときは、直接のケアが終わった時刻だけでなく、業務全体の勤務時間を確認しましょう。看護師の残業と職場選び

体調が悪化している場合は、離職率の数字で自分のつらさを正当化しようとする必要はありません。医療機関や職場の相談窓口に相談し、休息や勤務調整も検討してください。看護師を辞めたいと感じるときの選択肢

中途採用者は、入職後の教育を具体的に聞く

経験者として採用されても、その職場の手順や役割分担は新しく学ぶ必要があります。「中途だからすぐ一人でできるはず」という期待のずれがないか、入職前に確かめましょう。

確認したいのは、研修の名称だけではありません。誰が日々の業務を教えるのか、未経験の業務をどう練習するのか、忙しいときにも質問できる相手がいるのかを聞いてください。

たとえば「病棟経験はありますが、この分野は初めてです。日勤・夜勤の独り立ちは何を基準に判断しますか」と質問すると、具体的な支援を確認しやすくなります。

福利厚生は、使える条件と職場の実績を確認する

保育施設、短時間勤務、資格取得支援などがあっても、全員が同じ条件で利用できるとは限りません。対象者、費用、申請の流れ、利用できない場合の対応を確認します。

年間休日の多さと、有給休暇の取りやすさも別の情報です。勤務表の組み方や休暇の調整方法を合わせて確認してください。看護師の休日と有給休暇の見方

離職率が低いという説明に安心して、給与や配属など自分に重要な条件の確認を省かないようにしましょう。

転職エージェントや口コミの情報にも確認が必要

職場の情報や働き方について相談する様子

看護roo!やレバウェル看護を使う場合、離職率や残業、教育体制について確認を依頼することはできます。ただし、担当者がすべての職場の最新データを持っているとは限りません。

「いつ、どの部署について確認した情報ですか」「数字が不明なら、見学や面接で確認できますか」と聞くと、情報の範囲が分かります。非公開情報だから正確、という判断も避けましょう。

口コミは、その人が働いた時期や部署による体験です。一つの意見を職場全体の事実にせず、気になる点を確認する手掛かりとして扱います。採用側の説明、見学、書面の条件と合わせて判断してください。

利用前の確認点は看護roo!・レバウェル看護を中心とした転職サービスの比較にまとめています。

離職率は、職場を知るための質問の入口にする

離職率を調べる目的は、低い数字の職場を選ぶことだけではありません。自分が働き続けるために必要な条件が整っているかを、具体的に確かめることです。

候補の求人を見つけたら、まず「数字の対象と期間」「入職後の教育」「勤務と休息」の三点を確認してみてください。分からない部分は不明のまま区別し、納得できる情報がそろってから判断しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA