- 職場の人間関係に疲れてしまった
- 夜勤続きで心身ともに限界を感じている
- 今の仕事ではこの先のライフプランを描けない
転職を検討中の看護師の中には、看護師以外の仕事で通用するのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では看護師資格を生かせる仕事や未経験から挑戦できる異業種、転職を成功させるためのポイントを解説します。
記事を読めば看護師を辞めて違う仕事に就くためのヒントが見つかり、理想の働き方を実現する一歩を踏み出せます。看護師の経験は医療現場以外でも多くの仕事で生かすことが可能です。自分の希望条件を明確にし、視野を広げて転職活動を進めることが理想のキャリアを築くポイントです。
看護師を辞めて違う仕事に転職する理由
看護師はやりがいを感じる一方で精神的・身体的な負担が大きく、転職を考える方も多くいます。多くの看護師が転職を決断する理由は以下のとおりです。
- 人間関係のストレスが大きいから
- 責任の重さとプレッシャーから解放されたいから
- 夜勤や不規則な勤務による生活リズムの乱れを改善したいから
- 給与が労働に見合っていないと感じるから
人間関係のストレスが大きいから
看護師の仕事を辞めたいと感じる大きな理由の一つに、人間関係のストレスがあります。多忙を極める看護師の現場では看護師同士の円滑なコミュニケーションが取れず、精神的に追い詰められてしまうケースが多く見られます。看護師が抱く人間関係の悩みは以下のとおりです。
- 高圧的な態度や理不尽な指導
- 陰口や無視
- 業務の押し付け合い
- クレームや心ない言葉
人間関係の悩みがある環境では常に周囲に気を配る必要があり、心が休まりません。ストレスが大きい状況が続くと、多くの看護師が違う仕事への転職を考えるようになります。
» 看護師が抱える人間関係の悩み｜原因や悩みを軽くする方法を解説
責任の重さとプレッシャーから解放されたいから
看護師の責任の重さやプレッシャーから解放されたいという気持ちは、看護師を辞めて違う仕事に転職する理由の一つです。看護師の人の命を直接預かるという仕事の性質上、常に心身ともに大きな負担がかかります。医療ミスへの緊張感や容態急変時の判断を迫られる場面で強いプレッシャーを感じる看護師は多くいます。
看護師は複数の業務を遂行しながら、患者や家族への対応もしなくてはなりません。看護師の仕事で緊張感が続くと心身ともに疲れてしまい、プレッシャーが少ない仕事へ移りたいと考えるようになります。
夜勤や不規則な勤務による生活リズムの乱れを改善したいから
不規則な勤務による生活リズムの乱れは心身の健康を損なう原因となるため、看護師を辞めて違う仕事に転職を考えるきっかけになります。体内時計が狂ってしまうと、慢性的な睡眠不足や疲労感に悩まされる場合があります。看護師の仕事で生活リズムが乱れると起こる悩みは以下のとおりです。
- 肌荒れや生理不順が起こる
- 体重増加や胃腸の不調が現れる
- プライベートの時間が確保できない
- 趣味や自分磨きの時間が持てない
心身の不調やプライベートの悩みが続くと、仕事への意欲を保つことは困難です。健康的な生活を取り戻すために、看護師を辞めて違う仕事に就くことは有効な方法です。
» 看護師の夜勤での仕事内容や夜勤を乗り切るセルフケアを紹介
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給与が労働に見合っていないと感じるから
看護師の責任の重い仕事内容や業務量に対して給与が見合っていないと感じることも、看護師が違う仕事への転職を考える理由です。厚生労働省の調査では看護師の平均年収は約500万円前後です。看護師の平均年収は夜勤・残業を多くこなしての水準であるため、日勤のみだと400万円台に下がるケースも珍しくありません。
一般企業ではスキルや経験に応じた昇給・昇格がありますが、看護師は大幅に給与が上がらない場合が多くあります。
» 看護師の平均年収や給与を上げる方法・年収が高い職場を徹底解説！
看護師資格を生かせる仕事6選
看護師資格を生かせる仕事は以下の6つです。
- 保健師
- 治験コーディネーター(CRC)
- 臨床開発モニター(CRA)
- 医療機器メーカーのフィールドナース
- 医療系コールセンター
- 医療事務
保健師
保健師は看護師の資格を生かせる仕事の一つです。保健師は病気の方をケアする看護師とは違い、人々が病気にならないようにサポートする「予防」の視点で活躍できます。地域住民や企業で働く人々の健康相談に乗ったり、健康教育を行ったりすることが保健師の役割です。
保健師は夜勤がなく土日祝日休みの職場がほとんどなので、規則正しい生活を送りやすいメリットがあります。デスクワークや相談業務が中心となり、看護師の仕事に比べて身体的な負担が少ない点も保健師の魅力です。保健師は市区町村の保健センターや企業、学校などで活躍できます。
看護師のような直接的な医療行為は少ないため、保健師は予防医療や健康教育にやりがいを感じる方に向いています。保健師になるには看護師資格に加えて保健師の国家資格が必要です。保健師は人気の職種であるため求人数が少なく、競争率が高い傾向にあります。
» 看護師と保健師の違いとは？仕事内容や給与などを徹底解説！
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーターは新しい薬を世に出すために欠かせない治験を円滑に進めるサポート役を担います。患者と医療機関、製薬企業をつなぐことが治験コーディネーターの重要な役割です。看護師として培ったコミュニケーション能力や臨床での知識が治験コーディネーターで活躍する際に役立ちます。
患者と信頼関係を築く医療に携わりたい看護師にとって、治験コーディネーターはやりがいを感じやすい仕事です。治験コーディネーターは治験参加者に継続的に関わるため、患者の体調変化や生活面を丁寧にサポートできます。
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニターは製薬企業の担当者として新薬の開発に関わる専門職です。病院などで行われる新薬の臨床試験が、ルールに則って正しく行われているかを確認することが臨床開発モニターの仕事です。臨床開発モニターは夜勤がなく、基本的に土日祝日が休みなので、生活リズムが整いやすくなります。
看護師よりも高い年収を目指せる点も臨床開発モニターになるメリットです。臨床開発モニターはデスクワークと全国の医療機関への出張が中心となり、患者と直接関わる機会はなくなります。臨床開発モニターになるには英語力や高い事務処理能力が求められます。
医療機器メーカーのフィールドナース
医療機器メーカーのフィールドナースは病院での臨床経験を生かせる専門職です。医療機器メーカーのフィールドナースの仕事は以下のとおりです。
- 人工呼吸器やペースメーカーなどの使用方法を医師や看護師に説明する
- 医療機器を導入した病院へ行き、手術や治療に立ち会ってサポートをする
- 営業担当者と一緒に病院を訪問し、専門家の立場から製品の説明を担う
医療機器メーカーのフィールドナースは患者を直接ケアしませんが、最新の医療機器を通して多くの命を救うサポートができます。医療機器メーカーのフィールドナースは夜勤がなく土日祝日休みの企業が多いため、生活リズムが整いやすい点も魅力です。
医療系コールセンター
医療系コールセンターは看護師の知識や経験を生かして、身体的な負担なく働ける仕事です。医薬品や医療機器、健康食品などに関する問い合わせに電話で回答することが医療系コールセンターでの役割です。患者への対応で培ったコミュニケーション能力や医学の知識が医療系コールセンターで役立ちます。
看護師を辞めて医療系コールセンターに転職すれば在宅勤務も可能です。ただし、医療系コールセンターに転職する際はクレーム対応などで精神的な負担を感じる可能性もあるため注意が必要です。
医療事務
看護師の知識を生かして安定した働き方を求めるなら医療事務がおすすめです。医療事務は病院やクリニックの「顔」として医療現場を支える仕事です。看護師として培った医学の知識や診療の流れへの理解は、医療事務の仕事で大きな強みになります。
医療事務は夜勤がなく勤務時間が規則的なため、プライベートの時間を確保しやすくなります。医療事務の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 受付・会計・電話応対
- カルテ管理
- レセプト作成
給与は看護師より少ない傾向にありますが、医療事務は安定した働き方を求める方に向いている仕事です。
看護師を辞めた後に未経験でも挑戦しやすい仕事4選
コミュニケーション能力や丁寧な対応力などの看護現場で培ったスキルは、未経験の異業種でも高く評価されます。看護師を辞めて違う仕事に就きたいと感じた際に、未経験でも挑戦しやすい仕事は以下のとおりです。
- 一般事務
- 営業職
- 飲食業界
- IT業界(プログラマーやSE)
一般事務
一般事務は看護師からのキャリアチェンジとして人気があり、未経験でも挑戦しやすい職種です。特別な資格がなくても始められる求人が豊富にある点が一般事務の魅力です。一般事務なら患者の命を預かる精神的なプレッシャーや身体的な負担から解放され、規則正しい生活を送りやすくなります。
一般事務の仕事はデスクワーク中心で書類作成やデータ入力、来客対応を行います。土日祝日休みの企業が多いため、プライベートの時間を確保しやすくなる点が一般事務に転職するメリットです。医師や他部署との連携で培ったコミュニケーション能力や正確な記録を作成するスキルは事務職でも大いに役立ちます。
ただし、一般事務の給与は看護師に比べて下がる可能性がある点には注意が必要です。
営業職
営業職は看護師の経験で培ったスキルを生かせる仕事です。看護師時代に身に付けたコミュニケーション能力や問題解決能力は、顧客の悩みを聞いて商品を提案する営業の仕事に役立ちます。医療機器メーカーや製薬企業の営業職なら、看護師の専門知識が強みになります。
営業職は成果が給料に反映されやすく、土日休みの企業が多いため生活リズムが整いやすい点も魅力です。
飲食業界
飲食業界は看護師の経験を生かしながら新しいキャリアを築ける転職先です。患者や家族と接してきた高いコミュニケーション能力は、質の高い接客に直結します。感染対策などで培った衛生管理の知識は、食の安全を守るうえで役立ちます。
飲食業界では顧客の「おいしい」という感謝の言葉を直接受け取れるため、やりがいを感じやすい仕事です。カフェやレストラン、社員食堂など夜勤がなく生活リズムを整えやすい働き方を選べます。
飲食業界には未経験者歓迎の求人が豊富にあり、研修制度が整っている職場も多いため安心して新しいキャリアをスタートできます。
IT業界(プログラマーやSE)
IT業界のプログラマーやSEは看護師の経験を生かしながら、働き方の自由度が高い環境で新しいキャリアを築けます。IT業界は人手不足のため、未経験者向けの研修制度を整えている企業が多くあります。専門的なスキルを身に付ければ、IT業界で将来的に高い収入を目指すことも可能です。
患者の状態を観察し原因を分析してケア計画を立てる力は、システムの課題を見つけて解決する場面で生かせます。看護師として医師や他の医療スタッフと連携してきた経験は、チームで協力してシステムを開発する際に役立ちます。
IT業界はリモートワークやフレックスタイム制を導入している企業が多く、プライベートとの両立がしやすい点も魅力です。
看護師を辞めて違う仕事を探すときのポイント
看護師を辞めて違う仕事を探すときのポイントは以下のとおりです。
- 転職の目的や希望条件を明確にする
- 求人情報を幅広く収集し、比較検討する
- 面接で自分の強みや看護師経験をアピールする
転職の目的や希望条件を明確にする
看護師が転職を成功させるためには目的や希望条件をはっきりさせることが大切です。目的がはっきりしないまま転職活動を始めると自分に合わない職場を選んでしまい、後悔する原因になります。自分の考えを整理することで転職の際の面接でも自信を持って受け答えができます。
転職の目的や希望条件を明確にする際は、以下の項目について自分の考えを整理してみましょう。
- 現在の職場への不満
- 転職で実現したいこと
- 絶対に譲れない条件と妥協できる条件
- 希望する勤務形態
- 希望する年収や福利厚生の最低ライン
- 生かしたい看護師経験
- 5年後、10年後の理想の自分
転職の軸を明確にすることで自分に合った求人を見つけやすくなり、納得のいく転職活動を進められます。
求人情報を幅広く収集し、比較検討する
理想の転職先を見つけるには求人情報を幅広く集めて、じっくり比較検討することが大切です。1つの情報源だけでは自分に合う求人を見逃してしまう可能性があるため、いろいろな方法で情報を集めます。以下の方法で多角的に求人情報を集めましょう。
- 複数の転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 企業の公式サイトや口コミサイト
大手の転職サイトと看護師専門のサイトの両方を使うと、幅広い業界と専門分野の求人を効率良く確認できます。転職エージェントに相談すると非公開求人を紹介してもらえたり、キャリアチェンジの相談に乗ってもらえたりします。幅広く求人情報を集めたら、事前に決めた希望条件の優先順位に沿って求人を見比べましょう。
» おすすめの看護師転職エージェント5選を詳しく紹介！
面接で自分の強みや看護師経験をアピールする
転職の際の面接では看護師として培った経験を強みとしてアピールすることが、採用を勝ち取るためのポイントです。看護師の仕事は専門性が高いだけではなく、どんな職種でも役立つ汎用的なスキルが自然と身に付くためです。看護師の経験から以下の強みをアピールできます。
- コミュニケーション能力
- 高いストレス耐性と冷静な判断力
- 的確な状況判断力と問題解決能力
- 責任感の強さ
- 学習意欲と向上心
- リーダーシップ
看護師としての強みを具体的なエピソードを交えて伝えると、採用担当者に自分の価値をアピールできます。
看護師を辞めて違う仕事に挑戦することで理想のライフプランを実現しよう
看護師を辞めて違う仕事に挑戦することは理想のライフプランを実現する大きな一歩です。看護師として培った経験やスキルは医療業界以外でも生かせる貴重な財産となります。転職はキャリアの終わりではなく、新しい可能性を切り開くスタートです。
看護師として培ったコミュニケーション能力や冷静な判断力、細やかな気配りなどの強みを生かして充実した生活を実現しましょう。